タイトル |
ソラマメ種子の登熟期における気温が次作の開花に及ぼす影響 |
担当機関 |
鹿児島県農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
ソラマメは種子の登熟期に低温感応すると、次作の開花が早まることから、低温期に登熟した種子を栽培することで、催芽種子を低温処理せずに開花を早めることが可能となる。鹿児島県農業試験場・園芸部
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背景・ねらい |
ソラマメ栽培では収穫期を早めるため、催芽種子を4週間程度低温処理している。しかし、低温処理は催芽種子の洗浄や消毒等に手間がかかり、処理中の腐敗も多い。また、冷蔵庫のランニングコストが高い等、多くの問題を抱えている。そこで、催芽種子の低温処理を省くため、採種時期の異なる種子を供試し、種子の登熟期における気温が次作の開花の早晩に及ぼす影響を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 3月採種種子は採種前に最低気温摂氏10度以下に30日以上、平均気温摂氏15度以下に20日以上遭遇し、低温下で登熟する。4月採種種子は最低気温摂氏10度以下に26日遭遇するが、最高気温摂氏30度以上に14日遭遇する等、低温と高温の両条件下で登熟する。5月採種種子は最低気温摂氏10度以下に遭遇せず、平均気温摂氏15度以上で経過し、最高気温摂氏30度以上に14日遭遇する等、高温下で登熟する(表1)。
- 3月採種種子の次作の開花期は、対照(7月採種種子)より70日程度早く、初花房節位も20節程度低い等、催芽種子を低温処理した個体と類似した現象を示す。一方、4月採種種子の次作の開花は、3月採種種子と同程度の個体から対照と同程度の個体までみられる等、個体間差が大きい。また、5月採種種子の次作の開花は、対照と同程度である(表2)。
- 以上のことから、ソラマメは種子の登熟期に低温感応し、次作の開花が早まるものと考えられるので、低温期に登熟した種子を栽培することで、催芽種子の低温処理と同様な効果が期待できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 低温期に登熟した種子を栽培した場合の初花房節位は12節程度で、催芽種子を低温処理した個体より5節程度上位節から開花するので、作型によっては収量性への影響が懸念される。
- ソラマメ種子の低温処理の労力軽減や生産安定対策の基礎資料として活用する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
コスト
そらまめ
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