タイトル |
イチゴ炭疽病無病徴感染親株における菌の動態と雨よけによる苗立枯れの防除 |
担当機関 |
佐賀県農業試験研究センター |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
イチゴ炭疸病無病徴感染親株において、病原菌はランナー発生直前の4月中旬にはすべての部位に存在し、隣接株へ伝染する。本病の伝染期間である育苗期に雨よけを行い、薬剤防除と組み合わせると、苗の発病(立枯れ)を低く抑えることができる。佐賀県農業試験研究センター・土壌環境部・病害虫農薬研究室
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背景・ねらい |
近年、イチゴ生産地において、無病徴感染親株(夏期~秋期に病斑が葉などにみられ、その後病斑が消失し見かけ上健全となった親株)が主伝染源となった炭疸病(病原菌:Glomerella.cingulata)が多発生し、苗不足が続き、安定生産に支障をきたすまでになっている。そこで本病の伝染様式を明らかにし、防除対策を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- イチゴ炭疸病無病徴感染親株において病原菌は、3月上旬(ランナー発生前)には下位葉及びその葉柄やクラウンを中心に存在し、4月中旬(ランナー発生直前)及び5月(ランナー発生最盛期)には上位葉及びその葉柄にまで広がり、すべての部位(葉、葉柄、クラウン、ランナー)に存在する(表1)。
- ランナー発生直前の4月上中旬には、無病徴感染親株から隣接株への炭疸病菌の伝染が行われている(表2)。
- イチゴ炭疸病の薬剤防除に加え、育苗期に雨よけを行うことにより、本病の苗立枯れの発生を低く抑える。また、雨よけの効果は親株床期間のみより、育苗全期間及び採苗後の育苗期間の方が高い(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 西南暖地のイチゴ栽培地帯に適用できる。
- 伝染の時期は、気象条件等により変動する。
- 雨よけの潅水は、水滴が隣接株へ飛散しない方法で行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
いちご
害虫
炭疽病
土壌環境
農薬
防除
薬剤
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