ハスモンヨトウ性フェロモンを利用した自動計数機能付き昆虫誘殺装置

タイトル ハスモンヨトウ性フェロモンを利用した自動計数機能付き昆虫誘殺装置
担当機関 鹿児島県農業試験場大隅支場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 ハスモンヨトウの性フェロモンを利用した自動計数機能付き昆虫誘殺装置は日誘殺数が30頭以下の密度では誤差が±1頭,日誘殺数が31頭以上の密度でも誤差率がほぼ5%以内である。発生消長は既存のファネルトラップと比較して誘殺ピークがよく一致し,誘殺数も大差がない。鹿児島県農業試験場大隅支場・畑作病虫研究室
背景・ねらい 害虫の発生はその発生時期や発生量が地域によって異なる場合が多く,各地に高精度の発生予察情報を提供するには発生する害虫の発生状況を的確に把握する必要がある。各地に性フェロモントラップを設置することは簡単であるが、誘殺虫の調査には多大の労力を要する。そこで、性フェロモンを利用する自動計数機能付き昆虫誘殺装置(以下自動計数装置と略記)を開発し,その計数精度を常発の畑作害虫ハスモンヨトウを対象として検討するとともに,ファネルトラップと発生消長や誘殺虫数を比較する。
成果の内容・特徴
  1. 自動計数装置は性フェロモンに誘引された害虫が性フェロモンの周囲にある電極に触れることにより,一時的なショックで下方に落下する。落下した成虫がロート状の誘導部を通り,一対のローラー電極間を通過するときにスパークする。このスパーク回数によって誘殺数を計測するシステムである(図1)。
  2. 自動計数装置は太陽電池を利用して稼動する。誘殺データは15,30,60分間隔の3段階で,1ヶ月分を記憶できる。記憶データはパソコンを利用して回収する。
  3. 日誘殺数が30頭以下の密度における自動計数装置の計測値と誘殺数の差は±1頭以内で計測する(表1)。
  4. 日誘殺数が31頭以上の密度における自動計数装置の計測値と誘殺数との誤差は誘殺数の量に関わらず-2.0~-4.5%であり、誤差は5%以内である(表2)。
  5. 自動計数装置の発生消長は既存のファネルトラップと比較して,誘殺ピークもほぼ一致し,誘殺数も差がないことから発生予察に利用できる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 自動計数装置を利用することにより、毎日の誘殺虫数調査が省力化できる。
  2. 自動計数装置に通信機能を持たせて農作物の産地に設置することにより、各地の日別の誘殺状況がパソコンで把握できるようになる。
  3. 自動計数装置はハスモンヨトウに対してのみ試験が行われており,他の害虫については今後試験を行う必要がある。
図表1 221275-1.jpg
図表2 221275-2.jpg
図表3 221275-3.jpg
図表4 221275-4.jpg
カテゴリ 害虫 省力化 性フェロモン

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