長崎県におけるメタラキシル剤耐性ジャガイモ疫病菌の分離

タイトル 長崎県におけるメタラキシル剤耐性ジャガイモ疫病菌の分離
担当機関 長崎県総合農林試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 長崎県下のバレイショ栽培圃場からメタラキシル剤に耐性のジャガイモ疫病菌が分離された。県下各地より得た疫病菌は17菌株中12菌株が耐性を示し、耐性菌に対するメタラキシルのMIC値はいずれも200μg/ml以上であった。長崎県総合農林試験場・愛野馬鈴薯支場・環境科
背景・ねらい メタラキシル剤耐性ジャガイモ疫病菌の発生は北海道で既に報告されているが、九州地域での発生は未確認であった。そこで、メタラキシル剤の圃場での防除効果を検証するとともに長崎県におけるメタラキシル耐性菌の分布を調べた。
成果の内容・特徴
  1. 支場内圃場を用いた1999年春作におけるジャガイモ疫病防除試験の結果、メタラキシル剤の混合剤に比べメタラキシル単剤(1,000倍,1,500倍)散布区の防除効果の低下が確認された(図1)。また、本圃場より得た分離菌を用いたポット試験でも、メタラキシル剤の効力低下が確認された(図2)。
  2. 試験圃場の罹病葉から分離した疫病菌27菌株に対するメタラキシル剤の最小生育阻止濃度(MIC値)は全て200μg/ml以上を示し、耐性菌と考えられた(表1)。
  3. バレイショの主産地である島原半島を中心に分離した疫病菌に対するメタラキシル剤のMIC値は、17菌株中12菌株が200μg/ml以上、5菌株が0.39μg/ml以下を示し、メタラキシル剤耐性菌が長崎県内に広く分布することが明らかになった(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. メタラキシル剤(フェニルアマイド系薬剤)耐性菌の発生動向を把握するため広域的なモニタリングを行い、地域の実態に即した防除指導を行う必要がある。
  2. 耐性菌の発生が確認された地域では、優占化を回避するためフェニルアマイド系薬剤の連用は避け、他系統の薬剤との輪番施用を徹底する。
図表1 221279-1.jpg
図表2 221279-2.jpg
図表3 221279-3.jpg
カテゴリ 病害虫 あま 耐性菌 春作 ばれいしょ 防除 モニタリング 薬剤

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