タイトル |
受粉昆虫の訪花性を利用した拮抗微生物媒介によるトマト灰色かび病の防除技術 |
担当機関 |
鹿児島県農業試験場 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
受粉昆虫のマルハナバチに、灰色かび病菌の拮抗微生物を訪花時に花へ媒介させる方法(媒介法)は、トマト灰色かび病に対して防除効果を認め、生物的防除技術として利用できる。鹿児島県農業試験場・病虫部
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背景・ねらい |
近年、トマトでは受粉昆虫としてマルハナバチの利用が増えている。そこで、マルハナバチの訪花性を利用して灰色かび病菌の拮抗微生物を花へ媒介させる方法(媒介法)によるトマト灰色かび病の生物的防除技術を確立し,減農薬・省力化生産を可能にする。
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成果の内容・特徴 |
- マルハナバチ巣箱の出入り口にハチが出る際に拮抗微生物Bacillus subtilis粉末を敷いた通路部分を必ず通るような構造のディスペンサー(210×120×85mm)を取り付けることによって、マルハナバチにB. subtilisを付着させる。ディスペンサーに入れるB. subtilis粉末の量は25g(厚さ4~5mm)で十分である(図1および表1)。
- この方法を用いてトマト灰色かび病に対する防除効果を検討したところ、花からB. subtilisが検出されて媒介が確認された。また、無処理区の発病花率が21.1%の多発生時にその発生を3.7%と低く抑え、調査期間を通して登録農薬バチルス・ズブチリス水和剤の散布と同等か、やや高い防除効果を示している(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本法はトマト灰色かび病の生物的防除技術として有効であるが、本法の利用には新たな農薬登録が必要である。
- 他の拮抗微生物についても利用可能と考える。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
受粉
省力化
生物的防除
トマト
農薬
防除
マルハナバチ
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