タイトル |
ハウス促成トマト栽培における緩効性肥料の適正施用技術 |
担当機関 |
長崎県総合農林試験場 |
研究期間 |
1997~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
ハウストマトにおいて籾殻牛糞堆肥5t/10aと緩効性肥料との併用の場合、緩効性肥料を3割減肥すると無減肥より跡地土壌の無機態窒素含量が少なくなり、かつ、トマトの根重および収量は増加し、品質も問題ない。長崎県総合農林試験場・環境部・土壌肥料科
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背景・ねらい |
近年、施設野菜地帯では農業従事者の高齢化、担い手不足など労働力不足やハウス内農作業における軽作業化のため、施肥管理では緩効性肥料が普及しており、今後さらに施肥回数の減や環境負荷低減のため益々普及することが明らかである。そこで、ハウストマトの効率的かつ省力施肥技術確立のため緩効性肥料と籾殻牛糞堆肥とを併用した場合、籾殻牛糞由来の肥料成分を考慮して緩効性肥料を減肥した場合の土壌養分負荷やトマトの収量・品質に及ぼす影響を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 速効性肥料(スターター)を用いずリニアタイプの被覆複合燐硝安加里の緩効性肥料と籾殻牛糞堆肥5t/10aとを併用した場合、ハウス促成トマト栽培(10月中旬定植、5月下旬収穫終了)において収穫跡地作土の化学性は、EC、アンモニア態窒素、硝酸態窒素および交換性加里含量の増加が認められる(表2)。
- リニアタイプの緩効性肥料3割減肥元肥のみ施用は、籾殻牛糞堆肥5t/10aとを併用した場合、緩効性肥料元肥のみ134kg/10a施用の無減肥よりトマト収穫跡地土壌のアンモニア態窒素および硝酸態窒素含量の残存量を減少できたが、交換性加里含量の減少には至らない(表2)。
- 被覆複合燐硝安加里の緩効性肥料と籾殻牛糞堆肥5t/10aとを併用した場合、緩効性肥料3割減肥は無減肥よりトマトの果実重量、一果平均重、生根重が増加し、果実の上物率および糖度も同程度で問題がない(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 黄色土壌のハウス促成トマト栽培における生態系活用型土壌管理および省力施肥管理技術に適用できる。
- 緩効性肥料の種類(成分量、溶出タイプ等)により施肥効果が異なる。
- 施用有機物の分解特性および肥料代替率により併用効果が異なる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
環境負荷低減
管理技術
栽培技術
施肥
施用技術
土壌管理技術
トマト
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