タイトル |
有機物連用下における移植水稲に対する肥効調節型肥料の施用技術 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
水稲「ヒノヒカリ」の移植栽培に対し、シグモイド型肥効調節型肥料を用いる場合は、収量・品質面から有機物無施用の慣行施肥に比べ、稲わら堆肥連用では45%、稲わら連用では45%~20%、麦わら連用では20%程度減肥するのが良い。九州農業試験場・水田利用部・水田土壌管理研究室
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背景・ねらい |
暖地の水稲移植栽培において肥効調節型肥料を用いると、慣行施肥に比べ、10~15%窒素を減肥することが施肥基準となっているが、稲わら、稲わら堆肥及び麦わら等の有機物長期連用により土壌肥沃度が高まった条件における減肥率は明らかでない。そこで、有機物長期連用条件下において地力窒素発現量がほぼ一定の状態における高位・高品質でかつ省力的な施肥技術を開発することをねらいとして収量・品質面からみた肥効調節型肥料の減肥率を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 可給態窒素、全窒素及び水稲の地力窒素吸収量は、有機物無施用土壌麦わら連用土壌≒稲わら連用土壌稲わら堆肥連用土壌の順で有機物の連用により土壌窒素肥沃度が向上している(表1)。
- 暖地のヒノヒカリの移植栽培における窒素施用適量は収量及び食味に関連する玄米窒素濃度(1.3%程度)から判断すると、地力の低い有機物無施用の場合、慣行の9kg/10aに比べ、シグモイド型肥効調節型肥料では20%まで減肥した7kg/10aでも施肥窒素利用率が高まるため、窒素吸収量が変わらず、収量,玄米窒素濃度もほぼ同等となる(表2)。
- 有機物連用条件下でシグモイド型肥効調節型肥料を用いた場合、施肥窒素量が多くなると、窒素吸収量は増加するものの増収しにくく、玄米窒素濃度が高まるので、減肥する必要がある。好ましい窒素施肥量は、稲わら堆肥連用では有機物無施用の施肥基準の45%減である5kg/10a、稲わら連用では45%~20%減の5~7kg/10a、麦わら連用では移植後、初期生育抑制があるため、20%減の7kg/10a程度となる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 有機物連用条件下における施肥設計の参考となる。
- 本成果は、稲わら及び稲わら堆肥は1963年、麦わらは1985年からそれぞれ連用した圃場の結果であり、適応にあたっては水稲の地力窒素吸収量、連用年数を考慮する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
肥料
水田
水稲
施肥
施用技術
良食味
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