タイトル |
暖地における小麦に対する肥効調節型肥料による全量基肥施肥 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
暖地における小麦「チクゴイズミ」に対してリニア型肥効調節型肥料(50日溶出タイプ)を窒素成分で40%配合した複合肥料を全量基肥施肥すると、速効性肥料の慣行分施体系とほぼ同等の収量となり、子実たん白含有率が同等以上となる。九州農業試験場・水田利用部・水田土壌管理研究室
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背景・ねらい |
暖地小麦では元肥+追肥1~2回の施肥体系が慣行となっているが、近年、水稲用に開発された肥効調節型肥料を利用した追肥作業の省略化が求められている。しかし、これまでに行われた試験では肥効調節型肥料の窒素の溶出が少ないことや配合比率が高く、やや減収となる事例が多かった。そこで、被覆尿素を含むリニア型肥効調節型肥料を用いた省力施肥法が有機物連用下におけるめん用小麦「チクゴイズミ」の生育・収量・品質に及ぼす影響を慣行追肥体系と比較検討し、その実用性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 暖地における小麦「チクゴイズミ」に対してリニア型肥効調節型肥料(50日溶出タイプ)を窒素成分で40%配合し、残りは速効性肥料の複合肥料を全量基肥施用すると、施用有機物の種類によらず、それぞれの速効性肥料の分施体系とほぼ同等の収量となり、子実たん白含有率は同等以上となる。また、製粉歩留もほぼ同等で、低収年では千粒重がやや高まる。なお、リニア型肥効調節型肥料の施用により施肥窒素利用率も高まり、窒素吸収量も増加する(表1, 表2)。
- 肥効調節型肥料の施用で茎数はやや少なく葉色も淡いが、穂揃期以降、葉色も高まり、穂数はほぼ同等となる。しかし、これに伴う出穂期、成熟期の遅れは認められない(表3)。
- 12月から3月までの地温の低い時期の肥効調節型肥料の溶出率はやや小さいものの、地温が上昇する4月以降、溶出率が高くなる(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 冬期間の小麦の追肥作業が他の作業と競合する場合等に適応できる。
- 肥効調節型肥料を全量基肥施用することにより、肥料代は慣行の1.3倍になるが、1~2回の追肥作業を省略できる。
- 細粒灰色低地土において稲わら及び稲わら堆肥は1963年,麦わらは1985年からそれぞれ連用した圃場の結果である。また、施肥窒素量は慣行分施体系と同量である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
小麦
水田
施肥
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