タイトル |
農薬被曝の少ない簡易防除システム |
担当機関 |
熊本県農業研究センター |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
フロートに畦畔ノズルを装備し、水田の条間を往復しながら防除を行うフロートスプレーヤによる防除システムを開発した。本体の移動は畦畔からロープの牽引で行うため、作業者の農薬被曝が少なく、軽作業で行うことができる。作業能率は0.7~0.8ha/hr程度である。熊本県農業研究センター・農産園芸研究所・農業工学部
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背景・ねらい |
農薬被曝が少なく、かつ低コストの防除技術を確立するために、フロートに散布ノズルを装備したフロートスプレーヤを圃場外から操作して防除を行う簡易な防除システムを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本システムの構成は、図1に示すように道路側に動力噴霧機及びタンク、防除用ホースを装備したトラックを配置し、1人がトラックの荷台からホースを操作する。また、もう一人が反対側の畦畔から予め張っていたロープでフロートスプレーヤを操作する。条間を往復して防除した後、トラックに本体を乗せて、次の条間へ移動する。
- 浮上する弾性線を利用したロープ張り機を利用して畦畔から100mの条間を貫通して、ロープを引き寄せることができる。牽引は人力で行い、牽引力は最大25N(2.6kgf)程度の力であり(図2)、畦畔から操作を行うため農薬被曝が少なく、風速3m/s程度の風があっても作業は可能である。
- フロートスプレーヤは、図3に示すようにフロートとしてペットボトルをコスト低下を図り、水深の浅い箇所の移動を容易にするため、前後にローラを設置した。防除水は動力噴霧機の高圧水を利用し、浅い水深でも利用できるように改良したジェットポンプで水田水を汲み上げる。
- 防除液の飛散距離を確保するため、往復時のノズルを切り替える構造とした。往路時には遠距離ノズルを利用し、復路時には近距離ノズルを利用する構造とした。散布幅は末端圧2.6MPa(27kgf/cm2)で20m程度である。作業能率は0.7~0.8ha/hr程度である。(表1)
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成果の活用面・留意点 |
- フロートスプレーヤによる防除では、予めフロートスプレーヤの通る部分は畦畔まで水稲を整列させ牽引用のロープを張り、防除時期は走行する部分の手取り除草、湛水(5cm以上)する必要がある。
- フロートスプレーヤによる防除は水稲の条間を走行して行うため、水稲が倒伏していたり、収穫時期に近づき下葉が枯れ上がってくると走行に支障をきたして防除作業が困難になる 。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
コスト
除草
水田
水稲
低コスト
農薬
防除
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