タイトル |
水稲不耕起乾田直播栽培の作業体系と経済性 |
担当機関 |
大分県農業技術センター |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
不耕起乾田直播栽培の全作業時間は10a当たり7.2時間と移植栽培に比較して35%の省力となり、1日あたりの家族労働報酬は38%増加する。大分県農業技術センター・農村計画部
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背景・ねらい |
不耕起乾田直播栽培(以下、乾直という)のメリットは耕起、代かき、育苗等を行わず、裸種子を乾田に直接播種するため、省力化と低コスト化が期待できる。そこで、機械の作業性能や発芽の安定性、雑草防除、施肥、栽培管理法等について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 不耕起乾田直播機(M式PFT-6)の播種、施肥、施薬の作業精度は高く、播種深度は2~3cm程度で、74%の高い発芽率が得られる(表1)。
- 6条用不耕起乾田直播機の圃場作業量は1時間当たり31.9aで、圃場作業効率は64.3%である。年間利用下限面積は10.4haで、作業期間を5月中旬から6月中旬までとした場合、1シーズン当たりの作業可能面積は37.3haである(表2)。
- 栽培期間を通した全作業時間は、乾直では10a当たり7.2時間で、移植栽培の11.0時間と比較して35%の省力となる(表3)。
- 乾直は、移植栽培と比較して1日あたりの家族労働報酬が38%増加し、60kg当たりの全算入生産費は3%のコスト減になる(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 乾直の日減水深は入水から10日までの初期は移植栽培に比較して多く、その後も乾直の方が多いことから、乾直は用水が豊富な場所や地下水の高い地域に適する。
- スクミリンゴガイがいる圃場にも適する。
- 田面が凸凹な場合は軽くならし、また、滞水する圃場では排水溝を掘る。
- 除草剤は、播種前にラウンドアップ液剤、播種後1週間以内にクリンチャバスの液剤散布と播種1カ月後の入水直後にウルフエース粒剤を散布する。
- ウイルス病発生の多い地域は発芽後に防除を必要とする場合がある。
- 鳥害を受ける場合があるので忌避剤を種子に粉衣する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
乾田直播
くり
コスト
栽培技術
雑草
省力化
除草剤
水稲
スクミリンゴガイ
施肥
鳥害
低コスト
播種
防除
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