試作小型除草ロボットを用いた水田除草方法

タイトル 試作小型除草ロボットを用いた水田除草方法
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 小型除草ロボットの除草には,円形ブラシを回転させ,条間の表土を1~2cm程度撹拌し,さらに機体重で押されたブラシにより株列に土寄せを行い株間の除草を行うのが有効である。除草する間隔は毎日あるいは1日おきに,田植え後1ヵ月程度行うと効果的である。九州農業試験場・水田利用部・機械化研究室
背景・ねらい 近年,減農薬や無農薬栽培について消費者の需要が高まっており,除草方法について様々な試みがされ、生物的防除や従来の手取り除草などが行われている。本課題では,機械的雑草防除で雑草と水稲が競合を生じる前の発生直後の雑草を対象に除草をする。大型機械では入りにくい期間であり小型除草ロボットで利用できる除草方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 条間を進行する小型除草ロボットを試作した(図1)。本機は全長30cm・幅23cm・質量4.9kg,制御はワンボードマイコン,動力はDCモータ(トルク5.0kg・m),走行制御用センサとして稲株検知スイッチ(リミットスイッチ)およびバンパースイッチ(感圧センサ),充電式ニッカド電池7.2V(RC用)を2個(作業可能時間2時間程度)を搭載している(図2)。走行駆動部は中央部に走行用車輪,後部に除草作業部を設置している。除草作業は,条間を対象に2つの円形化繊ブラシ(直径110mm)をモータで回転させて(約125rpm)行い、1~2m/分程度で走行する。
  2. 試作機の対応水深は3~5cmであり,土壌の深さ1~2cm程度を撹拌する。1日おきに防除を行った残存本数は試験区間での大差はないが,8月9日における平均草丈が機械除草区では25.6cmに対し無除草区では49.9cm,乾物重は,機械除草区では9.7gに対し無除草区では17.8gとなり抑制効果が見られた(図3)。除草作業中に走行用車輪,除草作業部が稲株に影響を与えることはない。
  3. 試作機が条間に溝を掘り2回目以降はそこをガイドとして作業を行う。また,株列に土寄せを行うことにより雑草が土に埋まり,ある程度株間や株際の除草が行える(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本情報は,小型除草機械の開発に利用することができる。
  2. 本試作機では雑草を完全防除することは出来ない。
  3. 本試作機で使用した稲株検知スイッチでは,軟らかい苗の検知が困難であるため次の条間に入る旋回ができない。また,第1回目の除草では直進走行がうまくいかない場合がある。
図表1 221342-1.jpg
図表2 221342-2.jpg
図表3 221342-3.jpg
図表4 221342-4.jpg
カテゴリ 病害虫 機械化 雑草 除草 除草機 水田 生物的防除 農薬 防除 ロボット

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