タイトル |
マルチ栽培に対応したかさ密度の低い粉・粒状資材土中施用機 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
発酵畜ふん堆肥等のかさ密度の低い粉・粒状資材を、マルチ畦内に帯状局所施用するトラクタ装着型のマルチ同時施用機である。資材供給の動力はDC12Vモータでトラクタのバッテリを利用する。九州農業試験場・畑地利用部・作業システム研究室
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背景・ねらい |
九州南部は畜産業が盛んな地域であり、排出される家畜排泄物は多くの肥料成分や有機物成分を含む農業資源といえる。また、発酵処理した畜ふん堆肥は、取り扱い性を向上させた土壌改良資材でもある。しかし、耕種農家では効率的・効果的な施用技術が確立していない。そこで、近年増加している畦立て・マルチ栽培における利用を目的として、発酵畜ふん堆肥等の粉・粒状の資材を、畦内の局所に効率よく施用する土中施用機を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本機は、トラクタ装着型の2軸マルチャに、スクリュコンベヤ方式の資材供給装置を搭載した構造である(図1)。ホッパに投入した資材は、スクリュコンベヤで搬送され、鋼管製の資材導管内に落下して吐出口からマルチ畦内部の局所に帯状に施用される(図2)。その結果、資材施用作業と同時にマルチ作業ができる(図3)。
- 資材の施用深さは、資材導管の高さ位置を上下方向に調整することにより、畦頂部から約15~30cmの範囲で変えられる。
- 時間当たりの資材供給量は、スクリュコンベヤを回転させるDCモータへの供給電圧を調節することにより、約30~300g/sの範囲内で調節できる。マルチの条間を1m、土中施用機の走行速度を0.15~0.5m/sと仮定すると、面積当たりの資材施用量は60~2000kg/10aの範囲内で変えられる。
- ホッパからの資材搬送と導管への資材供給を同一のスクリュコンベヤで行っているため、構造が簡易で、かつ資材施用精度が高い(表1)。
- 資材投入時の作業負荷は、ホッパの高さを0.9mと低めに設定しているため、ホッパを資材導管上部に設置する場合に比べて低い。
- 資材供給の駆動がDC12Vのモータであるため、トラクタのバッテリを動力源として使用できる。
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成果の活用面・留意点 |
- かさ密度の低い粉・粒状資材をマルチ畦内に効率的に施用できるため、省力化や施用量の節減が図られる。
- かさ密度が0.7を越える資材は、スクリュコンベヤ内で詰まる場合がある。
- 9.6kW(13PS)以上のトラクタに適応できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
省力化
施用技術
土壌改良
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