β−カロテン退色法を利用した簡易な抗酸化能測定法

タイトル β−カロテン退色法を利用した簡易な抗酸化能測定法
担当機関 熊本県食品加工研究所
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 β-カロテン退色法を利用した本測定法は、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)の濃度に換算して10~200μMの強さの抗酸化能の評価が可能である。熊本県食品加工研究所・研究開発課
背景・ねらい 最近、ヒトの老化や生活習慣病に体内で発生する活性酸素やフリーラジカル等の酸化ストレスが関与することが明らかになってきた。そして、食品成分による酸化ストレスの防止や抑制の観点から、抗酸化成分の検索等が行われている。しかし、従来の抗酸化能測定法では、食品中の抗酸化成分の一次スクリーニング法としては、「高価な機器を必要とする。」、「測定に長時間を要する。」、「操作が煩雑である。」等の問題点がある。そこで、β-カロテン退色法を利用した津志田らの方法(日食工誌、41(9)、611-618、1994)を改良して、簡易な抗酸化能測定法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. β-カロテン溶液、リノール酸溶液、ツイーン40のクロロホルム溶液を三角フラスコにとり、窒素ガスでクロロホルムを完全に除去した後、蒸留水を加えて溶解し、更に、リン酸緩衝液を添加して、リノール酸・β-カロテン溶液を調整する。次に、あらかじめサンプル溶液を注入した分光光度計用試験管セルに、上記のリノール酸・β-カロテン溶液を加え、撹拌後直ちに470nmの吸光度(A0)を測定し、セルを摂氏50度の恒温槽にいれる。t分後、セルを取出して吸光度Atを測定し、t分間における470nmの吸光度の低下量、すなわち⊿A=A0- Atを算出する(図1)。
  2. BHT(ブチルヒロドキシトルエン)の各種濃度溶液を資料として⊿Aを測定すると、10~200μMの範囲で直線性が認められるので、サンプルの抗酸化能は測定した⊿Aによって、BHT濃度に換算して表わすことができる(図2)。
  3. 本法は、抗酸化能が同種のサンプルを精度良く、短時間で多数(30分間で50点程度)評価できる。
成果の活用面・留意点
  1. 食品の抗酸化能の一次スクリーニング法として活用できる。
  2. リノール酸・β-カロテン溶液の調製に際しては、A0が1.3程度(abs1.2~1.3の範囲)になるようβ-カロテン溶液の添加量を調整する。
  3. インキュベート時間tは、ブランクのAtが約4割程度(abs0.7~0.8の範囲)低下するまでの時間とする。
  4. リノール酸は、イニシエーターとして働くのでやや酸化したものがよい。
図表1 221352-1.jpg
図表2 221352-2.jpg
カテゴリ 加工

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