水稲「ヒノヒカリ」の低蛋白米生産のための生育診断に基づく穂肥施用技術

タイトル 水稲「ヒノヒカリ」の低蛋白米生産のための生育診断に基づく穂肥施用技術
担当機関 大分県農業技術センター水田利用部
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 水稲「ヒノヒカリ」において、穂肥施用前(出穂前20日)の草丈×GM値(葉色値)を穂肥施用量の判断基準として活用できる。収量を保ちつつ低蛋白米生産に向けた穂肥施用量は草丈×GM値2500以下では窒素成分で3kg/10a、2500~3500では1.5kg/10a、3500以上では0kg/10aである。大分県農業技術センター水田利用部
背景・ねらい 「ヒノヒカリ」の良質米産地育成を図るため、玄米の蛋白含有率6%(水分14.5%)を目標に推進している。しかし、玄米蛋白含有率は年次および地域によるばらつきが大きく、一様の施肥基準では低蛋白米の安定生産が困難である。そこで、穂肥前の生育診断に基づいた穂肥施用技術の確立が必要である。
成果の内容・特徴
  1. 「ヒノヒカリ」の玄米蛋白含有率は穂肥前(出穂前20日)の草丈×GM値と高い正の相関(0.911***)が認められることから、草丈×GM値を穂肥施用量の判断基準として活用できる(図1)。
  2. 基準値(草丈×GM値)別の、適正な穂肥施用量は収量および蛋白含有率の面から以下に示す通りである(図2,図3)。

  3. 基準値
    穂肥量(窒素成分kg/10a)
    0
    1.5
    3
    5
    2500以下
    -


    -
    2500~3000
    -


    -
    3000~3500
    -

    -
    -
    3500以上


    -
    -
    注)表中の◎は最適施用量を、○は準最適施用量を示す。

  4. 穂肥前の草丈×GM値は整粒歩合および登熟歩合と高い相関(各々-0.924***,-0.848***)が認められる。よって、この判断基準を用いた穂肥量の調節により品質の向上も図られる(図表略)。
  5. 成果の活用面・留意点
    1. 「ヒノヒカリ」の低蛋白米生産に向けた栽培指針とする。
    2. 草丈の単位はcmで、GM値はミノルタ社製SPAD-502を用いて完全展開第2葉を10個体測定する。
    3. 穂肥施用後の気象条件によっては、予測値に多少の誤差が生じる場合がある。
    4. 試験圃場の土性は細粒灰色低地土。
    図表1 221369-1.jpg
    図表2 221369-2.jpg
    図表3 221369-3.jpg
    カテゴリ 水田 水稲 施肥 施用技術

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