タイトル |
景観作物であるナタネの緑肥利用による水稲の品質向上技術 |
担当機関 |
大分県農業技術センター |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
景観作物として栽培したナタネを、開花後40日頃に緑肥として鋤込み、水稲の窒素施肥量を30~50%減肥することによって、玄米蛋白の低い良質米の安定生産ができる。大分県農業技術センター・水田利用部
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背景・ねらい |
最近のグリーンツーリズムの普及に伴い、水田裏作に景観作物としてナタネの栽培が注目されている。そこで、景観作物として利用したナタネを、成熟期前に緑肥として鋤込むことにより水稲の化学肥料を減肥した良質米の栽培技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- ナタネの生育量は生重量(根を含む)で、約300kg/a確保できる(表1)。
- 鋤込み時のナタネの窒素含有率は1.4%で、窒素量として0.6~0.8kg/aである(表1)。
- ナタネの土壌中での分解は鋤込み後41日後(畑状態)で約50%、92日後(代かき後51日で穂肥追肥期)で66%である(図1)。
- ナタネの鋤込みによる本田初中期の還元化程度は軽く、水稲の生育に影響しない (図1、省略)。
- ナタネの鋤込みによる緑肥効果は高く、鋤込み適期は開花後40日頃である(図2)。
- ナタネを緑肥として鋤込み、窒素施肥量を慣行より30~50%減肥することによって、玄米蛋白を低く抑えながら慣行並の収量が確保できる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 減化学肥料栽培等の高付加価値米の栽培指導指針とする。
- ナタネは、適期播種、排水対策、追肥等の栽培管理により生育量を確保することによって緑肥効果が高まる。
- 鋤込み時期が遅くなると茎が硬化してロータリー耕による鋤込み作業がしにくいので、開花後40~45日までに鋤込む(その場合でも田植機の作業精度への影響はない)。
- ナタネ-水稲の連作田では堆厩肥の施用による地力対策もあわせて必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
高付加価値
栽培技術
水田
水稲
施肥
なたね
播種
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