晩生良質良食味の水稲新品種系統「鹿児島5号」

タイトル 晩生良質良食味の水稲新品種系統「鹿児島5号」
担当機関 鹿児島県農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 水稲「鹿児島5号」は、南海62号/ヒノヒカリの組み合わせから育成された系統で、「かりの舞」に比べて、出穂期で2日、成熟期で5日遅い晩生種である。収量性が高く、外観品質が優れ、食味は「かりの舞」に優り「ヒノヒカリ」に近い良食味である。鹿児島県農業試験場・作物部
背景・ねらい 鹿児島県の普通期栽培地帯では、早生の「ヒノヒカリ」、中生の「かりの舞」、晩生の「ミナミヒカリ」が作付されている。しかし,食味の面で「ミナミヒカリ」の流通評価は低下してきており,品種による労力の分散が図りにくい現状にある。このため、本県では晩生の栽培特性の優れた良食味品種が強く望まれている。
成果の内容・特徴 「鹿児島5号」は、平成3年、鹿児島県農業試験場において、晩生・良質系統「南海62号」を母、極良食味品種「ヒノヒカリ」を父として人工交配した組合せから育成された。本系統の特性は以下のとおりである。
  1. 「かりの舞」と比較して、出穂期で2日、成熟期で5日遅い晩生種である。
  2. 「かりの舞」と比較して、稈長及び穂長は同程度、穂数は多い。草型は“偏穂数型”で、耐倒伏性は“強”である。
  3. 脱粒性は「かりの舞」と同程度の“中”で、穂発芽性は“やや難”である。
  4. いもち病真性抵抗性遺伝子型はPia,Piiと推定され、圃場抵抗性は「かりの舞」並で、葉いもち抵抗性は“やや弱”、穂いもち抵抗性は“中”である。また、白葉枯病抵抗性は“中”である。
  5. 「かりの舞」と比較して玄米収量は多い。
  6. 「かりの舞」と比較して玄米の外観品質は優れる。
  7. 「かりの舞」と比較して食味はやや優れ、「ヒノヒカリ」に近い良食味である。
成果の活用面・留意点
  1. 本県普通期栽培地帯の「かりの舞」の一部及び「ミナミヒカリ」に替えて普及を図る。
  2. 葉いもち抵抗性がやや弱なので、発生に注意し、適期防除に努める。
  3. 施肥量が多いと上位葉が長くなり受光態勢が悪化しやすく、登熟歩合が低下する場合があるので、多肥栽培は避ける。
図表1 221371-1.jpg
カテゴリ 病害虫 いもち病 新品種 水稲 施肥 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 防除 良食味

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