「褐毛和種」における超早期母子分離技術

タイトル 「褐毛和種」における超早期母子分離技術
担当機関 熊本県農業研究センター
研究期間 2000~2000
研究担当者 恒松正明
緒方倫夫
森崎征夫
発行年度 2000
要約 分娩後2日で母子分離すると、母牛の発情回帰が早くなり、分娩後早期からの授精により分娩間隔が短縮できる。子牛は、カーフハッチで管理し生後42日まで1日当たり600gの代用乳で哺乳育成することにより、白痢等の発生が減少し損耗防止が図られる。
背景・ねらい 肉用牛の生産コスト低減対策の一つとして、繁殖雌牛の分娩間隔の短縮が課題となっている。しかし、現状の分娩間隔は12.5~13.2カ月で推移し、肉用牛経営で目標とする「1年1産」は一部を除き達成されていない。また、大規模繁殖経営では子牛の白痢等の発生により発育の低下を招いている。そこで、雌牛の分娩間隔の短縮と子牛の損耗防止を図るため、分娩直後の超早期母子分離による雌牛の早期受胎と子牛の育成について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 子牛を分娩後2日で母牛から分離すると、母牛の発情回帰日数は17日で、3ヵ月及び5ヵ月分離に比べ発情が早く発現する(図1)。
  2. このことから、分娩後早期の人工授精が可能で、母牛の受胎までの日数は80日で分娩間隔が短縮できる(図1、表1)。
  3. 母牛から分娩後2日で分離した子牛は、1回当たり300gの代用乳を1日2回人工哺乳する(表2)。離乳前3日間は1回哺乳し、生後42日で離乳する(表2)。
  4. 人工哺育期間はカーフハッチで衛生的な管理により、白痢の発生は抑えられ、下痢の発生が減少する。
  5. 人工哺育した子牛の7カ月齢体重は219kg(1日当たり増体量0.84kg)で、3ヵ月分離した子牛と発育に差がない(図2、図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 初回授精は粘液の汚れや子宮の修復状況等を確認し、分娩後30日頃から開始する。
  2. 人工哺乳子牛は初期発育が劣るため、3ヵ月齢程度まで人工乳と良質乾草を飽食させる。また、水は常時新鮮なものを用意し自由飲水させる。
  3. 初産牛の産子等生時体重の小さな子牛は、代用乳の給与量を調整する。
図表1 221408-1.jpg
図表2 221408-2.jpg
図表3 221408-3.jpg
図表4 221408-4.jpg
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カテゴリ 経営管理 コスト 肉牛 繁殖性改善

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