同一品種内交配による系統豚「サガL」の肢蹄強化

• 担当機関: 佐賀県畜産試験場
• 研究期間: 2000～2000
• 研究担当者: 鬼塚法光; 池田博司
• 発行年度: 2000
• 要約: 系統豚「サガL」と維持増殖群以外の肢蹄の強い種雄豚との同一品種内交配よって作出された種豚は、管囲が大きく、肢蹄得点が高い。佐賀県畜産試験場・中小家畜部・養豚環境研究室
• 背景・ねらい: 佐賀県独自のランドレース種系統豚「サガL」は県内種豚生産農家に供給され、その交雑によって生産された肉豚は、県内の生産頭数の1/3を占めるに至っている。「サガL」は産肉能力や哺乳能力において高い評価を得ているが、更に母豚の連産性を高めるために肢蹄強化が求められている。そこで、「サガL」に維持群以外の肢蹄の強い種雄豚(L1:Aris、L2:ドルマン系)を交配し、同一品種内交配による繁殖母豚の肢蹄強度改良の可能性について検討した。

成果の内容・特徴

1. 赤肉生産性の高い種雄豚を用いた同一品種内交配によって、育成豚の体重60kg、105kg到達日齢及び背脂肪厚を改善できる（表1、表2)。
2. 閉鎖育種集団である「サガL」に、群外の肢蹄の強い種雄豚を同一品種内で交配し得られた育成雌豚は、「サガL」に比べ前幅及び管囲が大きく、前肢、後肢各5点、歩様10点で評価した肢蹄得点も高い（表2、図1)。
3. 肢蹄得点の高い育成豚は管囲が大きい（表2)。

成果の活用面・留意点

1. 平成13年度よりLL豚を県内種豚生産農家に配布する。
2. LL1豚の背脂肪厚が薄くなる傾向があることから、交雑母豚作出の際には、中雄の選定に配慮する必要がある。

• カテゴリ: 育種 繁殖性改善 品種 豚