子牛育成期の栄養水準と肥育前期終了時の枝肉構成

タイトル 子牛育成期の栄養水準と肥育前期終了時の枝肉構成
担当機関 鹿児島県畜産試験場
研究期間 2000~2001
研究担当者 坂下邦仁
発行年度 2000
要約 育成期のDGを0.9kgに設定した区と比べDG1.0kgに設定した区で肥育前期終了時の枝肉の皮下脂肪割合が3.5%多くなった。このことから、肥育前期を同一条件で飼養した場合、育成期の栄養水準が14ヶ月齢時の皮下脂肪割合に影響する。鹿児島県畜産試験場・肉用牛部
背景・ねらい 肉用種の肥育経営では一貫経営農家を除けば、繁殖経営農家が生後約9ヵ月齢までの期間育成し、その後肥育経営農家が肥育を行うスタイルが一般的となっている。しかし、牛肉を生産するという目的のもとに、1頭の牛を繁殖経営農家と肥育経営農家という2つの経営体が、それぞれの利益を目的とした方式で飼養するために様々な問題が生じている。特に、枝肉の皮下脂肪の厚さや筋間脂肪の厚さと子牛育成時の濃厚飼料の多給による過肥の関連が指摘されている。そこで、黒毛和種肥育において、育成期間における栄養水準の違いが肥育前期終了時までの増体、枝肉成績および枝肉構成に及ぼす影響を検討した。
成果の内容・特徴 生後3ヵ月から8ヵ月齢における子牛育成期の飼料給与量をDG0.9kg、1.0kgおよび1.1kgに必要なTDN要求量の110%になるようにL区(育成開始時;粗濃比=45:55、育成終了時;60:40の混合飼料を給与)、M区(粗濃比=35:65の混合飼料を給与)およびH区(粗濃比=10:90の混合飼料を給与)を設定した。なお、肥育前期(8-14ヵ月)は全区とも飽食となるように同一の肥育用混合飼料を給与した。
  1. 育成期間中のDM摂取量は、L区640kg、M区711kgおよびH区729kgとなり、試験区間に差がみられた(P&st;0.05)。また、TDN(P0.05)およびDCP(P0.01)摂取量についても同様の傾向であった。また、肥育前期では、M区、H区と比べL区においてDM、TDNおよびDCPの各摂取量が少ない傾向にあったが有意差はなかった(P>0.05)(図1、図2)。
  2. 育成期終了時の体重は、L区234kg、M区265kg、H区275kgとなり、L区と比べM区およびH区で重くなっていたが(P&st;0.05)、肥育前期終了時の体重には試験区間による差はなかった(P>0.05)(表1)。
  3. 育成期の期間日増体量は、L区0.95kg/日、M区1.17kg/日およびH区1.2kg/日となりL区と比べM区およびH区で優れていた(P&st;0.05)。一方、肥育前期の期間日増体量には試験区間に差はなかった(P>0.05)(表1)。
  4. 肥育前期終了時の枝肉脂肪の構成割合を皮下脂肪、筋間脂肪および体腔脂肪に分類した結果L区と比べM区において皮下脂肪割合が多くなっていた(P&st;0.05)(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 子牛育成期の飼養条件が肥育期に及ぼす影響の参考データとして利用できる。
  2. 今後実施する生後26ヶ月齢時点のデータと併せて利用する。
図表1 221440-1.jpg
図表2 221440-2.jpg
図表3 221440-3.jpg
図表4 221440-4.jpg
カテゴリ 経営管理 肉牛 繁殖性改善

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