ラジオアイソトープを用いずに牛卵子の遺伝子発現量を調べる方法

タイトル ラジオアイソトープを用いずに牛卵子の遺伝子発現量を調べる方法
担当機関 九州農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 中西雄二
渡辺伸也
発行年度 2000
要約 ジゴキシゲニン標識RNAプローブでin situハイブリダーゼーションを行ったホールマウント標本を画像解析することにより、ラジオアイソトープを用いずに牛卵子の遺伝子発現量を調べることができる。九州農業試験場・畜産部・育種繁殖研究室(九州沖縄農業研究センター畜産飼料作研究部繁殖技術研究室)
背景・ねらい 卵子の成熟率、受精率あるいは胚盤胞形成率などの形態的な基準による従来の評価法を補強するような、あるいは、これらにとって変わるような卵子の評価法は、まだ確立されていない。一方で、分子生物学的手法の発展と、これらの手法を用いた有用遺伝子の解析結果の蓄積によって、卵子の品質関連遺伝子の発現量(mRNA量)を指標とした体外培養ウシ卵子の評価を行う基本的条件が整いつつある。そこで、卵子で発現している任意の遺伝子発現量を、ラジオアイソトープを用いずに調べる方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 高感度な遺伝子発現検出のため、ジゴキシゲニン標識RNAプローブを用いる。プローブの調製は、図1で示した手順で行う。標識反応終了後、酵素を再度加え、さらに1時間、インキュベートすることで、標識プローブの収量を上げることができる。
  2. in situハイブリダイゼーションは、図2に示した手順で行う。NBT/BCIP溶液をPBS系緩衝液で調製することで、急速な発色を避けることができる。
  3. 発色した卵子でホールマウント標本を作製し(図3)、画像解析装置(アトー、デンシドグラフ等)でシグナルの定量を行う。得られた値は厳密な定量ではないが、これらの値の大小は発色の濃淡を十分に反映している。この方法により、従来、+、±、-等で表示していた分析結果を図4に示すようにグラフ化できる。
成果の活用面・留意点
  1. 本法はラジオアイソトープを用いないので、RI実験施設のない試験研究機関でも実施可能である。
  2. 標識用プローブの調製にあたっては、遺伝子組換え実験施設と所定の手続きが必要である。このような条件を満たせない場合、未標識プローブを、プロモーター領域を含むPCR産物として、研究者より提供してもらえば良い。
  3. この手法は、原則として、RNAプローブ全般に適用できるが、一部、シグナル検出が悪いプローブの存在する可能性がある。
図表1 221451-1.jpg
図表2 221451-2.jpg
図表3 221451-3.jpg
図表4 221451-4.jpg
カテゴリ 育種 繁殖性改善 評価法

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