イチゴ「とよのか」の高設床での花芽未分化セル成型苗の定植栽培

タイトル イチゴ「とよのか」の高設床での花芽未分化セル成型苗の定植栽培
担当機関 長崎県総合農林試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者 岡野剛健
重松武
木山浩二
発行年度 2000
要約 セルトレイで、20~30日間育苗して発根させたの花芽未分化苗を高設床に定植し、育苗後期の土壌養分制御によって、花芽分化を誘導させる省力的で新しいイチゴ「とよのか」の栽培体系を確立した。長崎県総合農林試験場・野菜花き部・野菜科
背景・ねらい イチゴの育苗管理は採苗から定植まで4ヵ月にわたって、長時間の窮屈な作業姿勢や、育苗開始期や定植期の苗の持ち運び等、重労働が強いられる。更に季節的に猛暑・多湿条件の中での作業であり、生産者にとって労働時間・強度の軽減は大きな課題である。また、栽培面では近年、炭そ病の発生が顕在化しており、抜本的な防除対策が必要である。そこで、短期間育苗をした花芽未分化苗を高設床に定植し、育苗、定植作業を軽減する栽培体系を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 54~80穴程度のセルトレイで20~30日程度育苗し、3~4葉の花芽未分化苗を6月下旬に高設床に定植する栽培法は、育苗期間が短いため根の活性が良く、また育苗時における省力化が可能となる。
  2. 一度に多くの苗の持ち運びが可能であるため、定植時における作業が軽減できる。
  3. 梅雨時期には展張して雨よけをして連続降雨に遭遇させず、また夏季には寒冷紗をかけるため、炭そ病などの病害の発生を軽減できる。
  4. 定植後の施肥は、普通ポット育苗と同様に行える。
  5. 第1果房の出蕾及び収穫開始は花芽分化苗とほぼ同程度である(表1)。
  6. 収量は分化苗とほぼ同程度であり、また平均1果重が約16gである。
成果の活用面・留意点
  1. 長崎県型イチゴ高設栽培システム導入農家に活用できる。
  2. 施肥管理は慣行のポット育苗に準じるが、窒素中断が行い易いように定植前に培養土に残肥がないか注意する。
  3. 花芽分化期にクラウンの直径が20mm以上になると多芽株が発生し、乱形果が多くなるので8月下旬~9月初旬は15mm程度に抑える。
  4. 基肥は花芽分化確認後、直ちに施肥する。
図表1 221497-1.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 いちご 栽培技術 栽培体系 省力化 施肥 防除

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