タイトル |
高設栽培システム「佐賀I型」におけるイチゴ「とよのか」の果実品質特性 |
担当機関 |
佐賀県農業試験研究センター |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2000 |
要約 |
イチゴ「とよのか」を高設栽培システム「佐賀I型」で栽培すると、地床栽培に比べ上物果の割合が大きくなり、果皮色は裏側の着色が良好となる。酸度は栽培方法の違いによる差はないが、糖度は1,2月期、5月期に地床栽培よりやや低くなる。果実硬度は、2,3月期を除き地床栽培より高くなる。佐賀県農業試験研究センター・企画流通部・流通利用研究室
|
背景・ねらい |
現在のイチゴ栽培において、作業姿勢の改善と栽培技術の簡便化など省力・軽作業化を図るため、高設式軽量培養土耕栽培(高設栽培:栽培床をハウス床面より70~80cm高く設置する)の導入が進められているが、栽培方法の違いが生育及び果実品質に及ぼす影響については未だ把握されていない点が多い。そこで高設栽培システム「佐賀 I型」を用い、栽培方法の違いが果実品質に及ぼす影響を明らかにし、高設栽培技術確立のための資とする。
|
成果の内容・特徴 |
- 高設栽培システム佐賀I型で生産されたイチゴ(以下、高設佐賀I型)の果形別割合は、地床栽培で生産されたイチゴ(以下、地床栽培)に比較すると屑果の割合が小さく、上物果の割合が大きい(図1)。
- 果皮色は果実表側では栽培方法の違いによる差はないが、裏側では高設佐賀I型の方が着色良好となる(図2)。
- 糖度は、厳寒期(1~2月期)、5月期には高設佐賀I 型でやや低くなるが、他の時期では栽培方法の違いによる差はない。酸度は、収穫期間を通して栽培方法の違いによる差はない(図3)。
- 果実硬度は2,3月期は高設佐賀I型でやや低くなるが、3月期以降は逆に地床栽培より高設佐賀I型で高くなる(図4)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 高設栽培システム「佐賀I型」は発泡スチロール栽培槽を用い、株間20cm、834株/a、2条外なり、培地量4.8リットル/株の裁植様式で、11月中旬以降は電照・加温管理を行い、更に着色促進のため架台側面にミラーシートを展張したものであり、ここでの灌水は100~150cc/株/日を行ったものである。
- この成果は上記の高設栽培方式で生産されたものであり、他の栽培方式や他品種では傾向が異なる可能性がある。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
いちご
栽培技術
着色促進
品種
|