イチゴ収穫・調製作業の省力化に関わる果房形態特性

タイトル イチゴ収穫・調製作業の省力化に関わる果房形態特性
担当機関 野菜・茶業試験場久留米支場栄養繁殖性野菜育種研究室(九州沖縄農業研究センター野菜花き研究部野菜育種研究室)
研究期間 2000~2000
研究担当者 沖村誠
曽根一純
望月龍也(九農試)
野口裕司(北農試)
発行年度 2000
要約 イチゴ果実は着果節の果梗が太くて長いほど大果であり、太さと長さが揃っているほど果実の揃いが優れる傾向にあり、それらの形質は高い遺伝力を示す。揃いの良い大果品種の育成には、着果節果梗が太くて長い「Pajaro」タイプの直枝型果房形態が選抜指標となる。野菜・茶業試験場久留米支場栄養繁殖性野菜育種研究室(九州沖縄農業研究センター野菜花き研究部野菜育種研究室)
背景・ねらい 大きさの揃った大果品種は、収穫・調製作業の大幅な省力化が可能となることから、それらの特徴を有する果房形態特性を解明し、品種育成上の選抜指標を明らかにするとともに、それらの遺伝性について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 果重は、着果節果梗の太さ(直径)(A)と長さ(B)の積(A・B:X1)、地際部から果実までの全果梗長(C:X2)、着果果梗長と全果梗長の比率(B/X2)と着果果梗径と基部節果梗の太さ(D)の比率(A/D)との積(B/X2・A/D:X3)を説明変数とする重回帰式によって表され、着果節果梗が太くて長いものが大果になる傾向にある(図1及び図2)。
  2. 果重のばらつき(変動係数)は、着果節果梗の太さ×長さ(X1)の変動係数との間に有意な正の相関がみられ、着果節果梗の太さと長さが揃っている(変動係数が小さい)ほど、果実の揃いが優れる傾向にある(図3)。
  3. 大果で揃いの良い省力型果房を有する品種の育成には、着果節果梗の太くて長い「Pajaro」タイプの直枝型果房形態を選抜指標にするのが良い(図4)。
  4. 果実の大きさに関わる説明変数X1,X3は不完全優性に、また、X1の変動係数は大きくなる側に優性と考えられ、ともに高い遺伝力を示す(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「Pajaro」の直枝型果房を持つ系統は、「女峰」のような高次花の割合が高い品種との交配でも、後代に着果節果梗が太くて長く、かつ揃った個体が数多く得られるので、省力型果房形態を有する系統育成のための交配親として有用である。
  2. 省力型果房を持つ系統は、成熟が集中する傾向が強いので、促成栽培においては過度の着果負担が起こらないように留意する。
図表1 221535-1.jpg
図表2 221535-2.jpg
図表3 221535-3.jpg
図表4 221535-4.jpg
図表5 221535-5.jpg
カテゴリ 育種 いちご 省力化 繁殖性改善 品種

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