ネギ小菌核腐敗病の病原菌追加とジカルボキシイミド系薬剤による体系防除

タイトル ネギ小菌核腐敗病の病原菌追加とジカルボキシイミド系薬剤による体系防除
担当機関 大分県農業技術センター
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 ネギ小菌核腐敗病にはBotrytis squamosaのほかB.cinereaも関与している。ジカルボキシイミド系薬剤の苗浸漬処理と土寄せ時2~3回散布の体系処理が有効である。B.cinereaの中にはベンズイミダゾール系薬剤に対し、高度耐性菌が確認された。大分県農業技術センター・植物防疫部
背景・ねらい 大分県では西国東地域の干拓地を中心にネギ栽培が古くから行われ、大半の圃場が連作栽培である。1988年に、土寄せされた葉鞘軟白部表面に菌核を多数形成し、のちに腐敗症状を呈する病害が初確認され、その後も発生が続いており、大きな問題となっている。そこで本県における上記症状の原因を明らかにし、有効薬剤の検討を行い、防除対策をたてる。
成果の内容・特徴
  1. 本症状から分離される病原菌は、培地上での菌核形成様式および分生子の形態と大きさからBotrytis squamosaおよびB.cinereaの2種であり、主体はB.squamosaである(表1、表3)。
  2. B.squamosaによる病害は小菌核腐敗病として報告があるが、B.cinereaによる報告はないため、小菌核腐敗病に病原菌の追加を提案中である。
  3. 本病の防除薬剤としてはジカルボキシイミド系薬剤が有効であり、2~3月に、2~3回の土寄せ時散布が効果的である。また、苗浸漬処理と組み合わせれば、さらに高い効果が得られる(表2)。
  4. 分離されたB.squamosaはベンズイミダゾール系薬剤およびジカルボキシイミド系薬剤に対し、すべて感受性菌であった。一方、分離されたB.cinereaはベンズイミダゾール系薬剤に対する高度耐性菌が認められたが、ジカルボキシイミド系薬剤に対しては感受性菌であった(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本病の発生は春期に多く観察されるが、適期収穫ができないとさらに増加する傾向があるため、適期収穫に心がける。
  2. 現在のところB.squamosaが優占種であるが、B.cinereaの割合が高くなると薬剤感受性低下菌が増加することが懸念されるため、数種薬剤とのローテーション散布が必要となる。
  3. 機械定植の場合、苗浸漬処理は苗の機械への付着や葉の絡みなどで、定植しにくいため、薬液を乾かしたのちに定植を行う。
図表1 221569-1.jpg
図表2 221569-2.jpg
図表3 221569-3.jpg
カテゴリ 病害虫 栽培技術 耐性菌 ねぎ 防除 薬剤

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