タイトル |
ハウス栽培トマトにおける各種殺虫剤のサバクツヤコバチに対する影響 |
担当機関 |
長崎県総合農林試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
シルバーリーフコナジラミの防除にサバクツヤコバチを利用するハウス栽培トマトでは、ピメトロジン水和剤、ルフェヌロン乳剤およびケルセン乳剤は他の併発害虫防除に使用できる。長崎県総合農林試験場・環境部・病害虫科
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背景・ねらい |
施設トマトにおいては難防除害虫と呼ばれる害虫の発生が多く、化学合成農薬の使用回数も多くなっている。このため、薬剤抵抗性の発達、並びに農薬の作物残留の懸念や散布者の農薬被曝の危険性が憂慮されている。そこで、サバクツヤコバチ(Eretmocerus californicus)寄生後の農薬散布が本天敵の羽化脱出に悪影響を及ぼさないか、あるいは農薬散布後にサバクツヤコバチが寄生できるかを検討し、施設トマトにおける天敵寄生蜂・微生物を用いたシルバーリーフコナジラミの生物的防除技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- シルバーリーフコナジラミに対してサバクツヤコバチの寄生が認められるハウス栽培トマトにピメトロジン水和剤、ルフェヌロン乳剤、ケルセン乳剤を通常使用濃度で散布してもサバクツヤコバチの羽化が認められる(表1)。
- シルバーリーフコナジラミの寄生が認められるハウス栽培トマトにピメトロジン水和剤、ルフェヌロン乳剤、スピノサド顆粒水和剤、ケルセン乳剤を通常使用濃度で散布し、その2日後以降にサバクツヤコバチを放飼すればサバクツヤコバチの寄生羽化が認められる(表2)。
- ピメトロジン水和剤、ルフェヌロン乳剤、ケルセン乳剤区は直接散布及び散布2日後以降放飼のいずれに場合も無処理区に比べると天敵の羽化数は少ないが、ある程度の羽化が認められ、これらの薬剤は天敵利用体系の中で使用できる(表1,表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- サバクツヤコバチは、未登録である。
- ピメトロジン水和剤、ルフェヌロン乳剤はオンシツツヤコバチに対しても影響が少ない。
- スピノサド顆粒水和剤は上記3薬剤に比べると天敵に対する影響があるが、薬剤散布後の間隔をあければ、天敵放飼と併用できそうである。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
生物的防除
抵抗性
天敵利用
トマト
農薬
防除
薬剤
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