タイトル |
傾斜地ナシ園における合成性フェロモン剤によるナシヒメシンクイの防除 |
担当機関 |
大分県農業技術センター |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
傾斜地ナシ園におけるナシヒメシンクイを対象とした交信攪乱による防除は,合成性フェロモン剤を広域かつ園地の傾斜上方とその周縁に重点的に設置すると十分な効果が得られ,殺虫剤の散布回数が削減できる。大分県農業技術センター・果樹部
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背景・ねらい |
性フェロモンの利用には不利とされている傾斜地ナシ園で,ナシヒメシンクイを対象として,合成性フェロモン剤の交信攪乱効果と殺虫剤の散布回数削減の可能性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
全体が約7haのナシ団地で,その中央部の約3haにナシヒメシンクイ性フェロモンを増強した交信攪乱用合成性フェロモン剤コンフューザ-N(信越化学工業社製)を設置した。
- コンフューザ-N利用によってナシヒメシンクイ対象の殺虫剤散布回数は少なくとも2~3回削減できる(表1)。
- コンフューザ-N処理区内の2個所に設置したフェロモントラップの誘殺数が0頭であったことから,合成性フェロモンは園内に有効に作用していたと考えられる(表2)。
- コンフューザ-Nのナシヒメシンクイ性フェロモンの残留率は約10%以上が有効性判断の目安と言われていることから,本性フェロモンの有効期間は少なくとも2か月である(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- ナシ園周辺のナシヒメシンクイ寄主植物は極力除去処分する必要がある。
- 殺虫剤削減に伴うナシヒメシンクイ以外の害虫発生に注意が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
傾斜地
性フェロモン
フェロモン
防除
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