タイトル |
奄美群島で発生した宿根アスターうどんこ病とその防除薬剤 |
担当機関 |
鹿児島県農業試験場 |
研究期間 |
1998~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
1998年以降、奄美群島のハウス栽培宿根アスターに発生したうどんこ病の病原菌はErysiphe cichoracearum型のOidium sp.で、防除薬剤としてはBDEDC乳剤、イミノクタジン酢酸塩・ポリオキシン水和剤の効果が高い。
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背景・ねらい |
宿根アスターはキク科・アスター属の宿根草で、奄美群島で作付け面積が増加している洋花類の一つである。うどんこ病は1998年5月に与論島茶花のハウス栽培の宿根アスターで発病を確認して以来、奄美群島全域で発生し問題となった。そこで、1997年に山梨県から報告された宿根アスターうどんこ病と本病原菌の異同を検討するとともに効果の高い薬剤を探索する。
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成果の内容・特徴 |
- 宿根アスターに発生するうどんこ病は葉裏、表に菌糸を表生し、白色粉状の斑点を形成し、発病が多くなると茎や花柄にまで発生する。発病は育苗時期から収穫時期まで見られるが、特に電照打ち切り以降急激に進展する。
- 発生程度は品種によって異なり、「ホワイトキャプテン」には激しく発病するが「ローズスター」での発病は極めて少ない。
- 本菌の菌糸は葉の表裏、茎、花柄に分岐しながら表生し、分生子柄は菌糸から直立し、3~5細胞からなり、Footcellは幅の均一な円筒形である。分生子は分生子柄上に連鎖状に形成し、フィブロシン体を欠き、発芽管は短く分岐せず、発芽管の途中に乳頭突起状の付着器を形成する(図1、図2)。分生子の大きさは縦47.6~29.6μm×横21.9~12.9μmである。菌の形態から、本病原菌は1997年山梨県から報告のあった宿根アスターうどんこ病と同じErysiphe cichoracearum型のOidium sp.による病害である(表1)。なお、本調査でも完全世代は確認されていない。
- 本病に対し効果のあると予想される薬剤を用いた防除試験の結果、DBEDC乳剤500倍、イミノクタジン酢酸塩・ポリオキシン水和剤水和剤1000倍の防除効果が高く、次いでヘキサコナゾール水和剤2000倍、メパニピリム水和剤2000倍の効果が高いが、トリフルミゾール水和剤2000倍の防除効果は他の薬剤と比較しやや劣る。
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成果の活用面・留意点 |
- 宿根アスターうどんこ病の効率的な防除法を図ることができる。
- 株出し栽培では前作に発病すると萌芽直後から多発するので十分注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
アスター
育苗
うどんこ病
きく
宿根アスター
茶
品種
防除
薬剤
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