タイトル |
マンゴーの果皮障害の原因となるアザミウマ2種の発生消長と防除 |
担当機関 |
鹿児島県農業試験場大島支場 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
チャノキイロアザミウマとアカオビアザミウマの2種のアザミウマ類は,マンゴーの果皮を加害し障害を与える。防除薬剤としてはイミダクロプリド水和剤が有効である。鹿児島県農業試験場大島支場・病害虫研究室
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背景・ねらい |
奄美群島では施設マンゴーが栽培されており,病害虫が原因と考えられる被害の1つとして果皮障害が問題となっている。そこで,果皮障害の原因と防除対策について害虫の面から検討する。
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成果の内容・特徴 |
- チャノキイロアザミウマは花芽から幼果の時期まで継続的に寄生がみられ,果実の調査では幼果期が寄生のピークで,果実肥大期には寄生はみられない。一方,アカオビアザミウマは,チャノキイロアザミウマとは逆に幼果期以降に寄生数が増加する傾向がみられ,果実での調査では果実肥大期が寄生のピークである(図1)。
- 寄生状況と被害の様相から,幼果時から発生がみられ,果梗部から褐色~黒褐色を呈し,著しい場合は象皮状となる果皮の障害は,チャノキイロアザミウマの加害が原因である。また,果実肥大期に果皮が白色化し,著しく加害された場合は茶褐色の象皮状になる果皮の障害はアカオビアザミウマによる被害である。
- 果梗部のチャノキイロアザミウマは,イミダクロプリド水和剤の2回散布(出蕾期+開花期)で防除できる。1回散布(出蕾期)では効果は不十分で,多発する圃場では2回防除が必要である(表1)。
- アカオビアザミウマの防除は,チャノキイロアザミウマに対するイミダクロプリド水和剤散布により同時防除が可能である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- アザミウマ類に対して効率的な防除対策を図ることができる。
- チャノキイロアザミウマは幼果以外にも新葉に寄生する。新葉では加害されると褐変,硬化し,葉の中肋を中心に黒褐色の条をつくる場合もあり,甚だしい場合は枯死することもある。また,アカオビアザミウマも果実以外に,葉(主に新葉)に寄生し,新葉では甚だしい場合,日焼け様症状を呈する。
- イミダクロプリド水和剤はアカオビアザミウマに対して未登録である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
防除
マンゴー
薬剤
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