水田裏作麦における生モミガラ施用技術

タイトル 水田裏作麦における生モミガラ施用技術
担当機関 佐賀県農業試験研究センター
研究期間 1998~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 共同乾燥施設で発生する生モミガラを迅速かつ大量に利活用するには、水田裏作麦の作付け前の施用が適し、施用量の上限は10a当たり1t程度で、窒素飢餓対策は不要である。また、モミガラの施用で土壌中の炭素や加里が増加し、土壌が膨軟になる。
背景・ねらい 共同乾燥施設では水稲の収穫時には、一度に大量の生モミガラが発生し、施設の稼働に支障をきたす場合がある。そこで、大量の生モミガラを迅速に利活用できる水田裏作麦に対する施用技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 生モミガラは水田裏作麦において、作付け前に10a当たり2t施用しても収量に及ぼす影響はない(表1)。なお、麦作後の水稲の収量は、指数で生モミガラ無施用100に対し生モミガラ施用では97~104となり、生モミガラの影響はなかった。
  2. 生モミガラを1t/10a施用した場合、土壌中の全炭素は約10%、交換性加里は30%増加し、また、三相分布の気相率は8%から15%に増加し、土壌の理化学性が向上する(表2、表3)。
  3. 生モミガラの分解に伴いモミガラ中の炭素は減少し、窒素は土壌や肥料からの取り込みで増加するが(表4)、これにより麦の生育・収量には影響がなく、窒素飢餓対策は不要である。
  4. 以上の結果から、麦作付け前に10a当たり2tまでの施用ならば収量に及ぼす影響は少ないと考えられるが、2t施用すると乾燥年には発芽苗立ちが遅れ、初期生育の低下が懸念されるので、施用量の上限は1t程度とする。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験では生モミガラを2年連用している。
  2. 生モミガラを1t/10a施用する場合は、ムラのないように土壌と十分混和する。
  3. 西南暖地の細粒灰色低地土で適応できる。
  4. 麦作後の水稲では、モミガラに混入した籾の発芽は4月から5月に認められるので、耕起前の非選択性除草剤散布により対応可能である。
図表1 221600-1.jpg
図表2 221600-2.jpg
図表3 221600-3.jpg
図表4 221600-4.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 乾燥 除草剤 水田 水稲 施用技術

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