黒ボク土での夏秋ピーマンの全量基肥施肥と自動水分制御技術

タイトル 黒ボク土での夏秋ピーマンの全量基肥施肥と自動水分制御技術
担当機関 大分県農業技術センター
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 黒ボク土での夏秋ピーマン「さらら」の全量基肥施肥栽培において、CDU配合肥料を表層施肥、被覆硝カル、被覆燐硝安カリを条施肥すると肥効が向上し3割の減肥が可能で、pF2.3→2.1(梅雨明け)→2.3(9月上旬)をかん水開始点とし、かん水量を5~7mm/回とする自動水分制御により省力・安定生産と尻腐れ果の低減が図れる。大分県農業技術センター・畑地利用部
背景・ねらい 夏秋ピーマンは栽培期間が7ヶ月以上と長いため、根の活力維持や施肥窒素の肥効を持続させるための効果的な施肥と土壌水分の適正管理が求められる。そこで、施肥位置及び施肥量の改善による効果的な全量基肥施肥技術と土壌水分状態に応じた適正かつ省力的な自動水分制御技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 自動水分制御では、黒マルチ処理により裸地区や稲わらマルチ区に比べて少量のかん水量で土壌水分が一定に保持される(図1)。また、黒マルチ処理によって収量が安定し、果実の変形が抑えられる傾向がある。
  2. 施肥位置はスターター肥料(CDU配合)を表層施肥した後、被覆硝カル140日タイプ、被覆燐硝安カリ180日タイプを条施肥すると肥効が向上し、3割減肥の21kg/10aの施肥で目標収量とされる10t/10a以上の収量が確保できる。また、植穴施肥では条施肥と同等の効果が見られるが、施肥作業等に労力がかかり実用面で難がある(表1)。
  3. 被覆硝カルを組み合わせ、栽培初期と後期はpF2.3、栽培中期はpF2.1で栽培を行うことにより、栽培中期以降の安定収量と尻腐れ果低減効果が得られる(表2、表3)。
  4. 黒ボク土における夏秋ピーマン「さらら」の水管理は、黒マルチを行い、pF2.3→2.1(梅雨明け)→2.3(9月上旬)をかん水開始点とし、かん水量5~7mm/回で自動水分制御を行うと、かん水の省力化と安定収量の確保、尻腐れ果の低減が図れる。
成果の活用面・留意点
  1. 施肥方法は、スターター肥料(CDU配合N:8%,P:12%,K:8%)を畦全面に表層施肥した後、被覆硝カル140日タイプ(N:12%,Ca:23%)、被覆燐硝安カリ180日タイプ(N:14%,P:12%,K:14%)を幅30cmに条施肥し、作土深約20cmで混和する。
  2. かん水方法は、ハウス中央部の株間に深さ15cmに設置したテンシオメーター(接点出力付き)で土壌水分値を出力し、自動水分制御装置(かん水時間、かん水時間帯を設定)により自動かん水を行う。
  3. 土壌保水力や気象条件等により、かん水回数を2~3回/日に設定することで土壌水分変動が小さくなり、さらに精度の高い自動水分制御が可能となる。
図表1 221602-1.jpg
図表2 221602-2.jpg
図表3 221602-3.jpg
図表4 221602-4.jpg
カテゴリ 肥料 省力化 施肥 ピーマン 水管理

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる