タイトル |
黒ボク土での夏秋トマトの全量基肥施肥栽培における適正灌水法 |
担当機関 |
大分県農業技術センター |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
夏秋トマト「桃太郎8」の全量基肥施肥法でブレンド肥料(12ー12-6)を用いて窒素基準施肥量の35kg/10aに対して施肥量を3割削減した場合、灌水開始点をpF2.3(8月中旬以降は2.5)、灌水量1~3mm/回により、トマト果実の収量および糖度は慣行施肥栽培と同等になる。水分センサーを用いた自動灌水により精度の高い灌水と肥培管理の省力化が図れる。大分県農業技術センター・畑地利用部
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背景・ねらい |
栽培期間の長い果菜類では施肥窒素の肥効を持続させることが重要であり、同時に土壌水分の適正管理が必要である。そこで、夏秋トマトの全量基肥施肥栽培における適正灌水法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 自動水分センサーを利用した土壌水分制御下でブレンド肥料を用いた全量基肥栽培が可能であり、慣行の手灌水と同等の高収量が得られるだけでなく、施肥の省力化や省肥栽培ができる(表1)。
- 夏秋トマトの自動水分制御は収量・品質から見てpF2.3(8月中旬以降2.5)を灌水開始点として1~3mm/回の灌水量により3割減肥が可能である。pF2.3で推移した場合は3割減肥すると収量が低下する(表2)。
- 施肥位置は、果実の収量や品質から見て表層施肥と条施肥のいずれも差はないが(表3)、条施肥の方が跡地土壌の硝酸態窒素の濃度が低い(表4)。
- 夏秋トマト産地の作型(4月上中旬定植)や生育、生育期間の地温変化に対応したブレンド肥料を作成した(図1)。この肥料を施用し、自動灌水を行うことにより、農家慣行施肥と同等の収量が得られる。
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成果の活用面・留意点 |
- トマトの定植後活着までの灌水は手灌水を行う。
- その後の灌水方法はpF水分センサーで土壌水分を出力し自動灌水装置により灌水(灌水時間、時間帯設定)を行う。
- 1日の灌水量を2~3回に分けて灌水することで水分変動を小さくし、精度の高い灌水が可能になる。
- 条施肥は畦の予定の中央にブレンド肥料を1条施用した後、耕起し作畦する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
栽培技術
省力化
施肥
トマト
肥培管理
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