水田に施用したオガクズ牛糞堆肥の分解特性と肥効

タイトル 水田に施用したオガクズ牛糞堆肥の分解特性と肥効
担当機関 佐賀県農業試験研究センター
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 稲作時に施用したオガクズ牛糞堆肥は、施用直後の稲作期間に約16%が、施用後3年間で約42%が分解される。分解に伴う窒素の供給は、麦作期間より稲作期間が多いが、1t(7.2kgN)/10aの単年施用では肥効は小さい。しかし、1t/10aの施用でも、連用3年目の稲作期間には、2kgN/10a程度の窒素供給が見込まれ、減肥が期待できる。佐賀県農業試験研究センター・土壌環境部・土壌・肥料研究室
背景・ねらい 近年、健康や環境問題への関心の高まり、また畜産排泄物の有効利用をはかる目的で堆肥等を利用した栽培が拡大しつつある。しかし、施用した堆肥の分解過程や分解に伴う堆肥由来の窒素の肥効は十分に把握されていないため、施用方法は確立できていない。よって、重窒素で標識したオガクズ牛糞堆肥(7.2kgN/10a、4.382 15Natom%、C/N 32.6)を用い、施用した堆肥の分解過程と分解に伴う肥効を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. オガクズ牛糞堆肥中の窒素は、土壌残存率の経過から、施用直後の稲作期間に約16%が分解される。その後の分解速度は遅く、施用後3年間の分解は42%程度である(図1)。
  2. 堆肥の分解により、施用直後の稲作期間に約1.2kgN/10aの窒素が供給されるが、そのうち1/2は幼穂形成期以降に供給される。2年目以降は分解速度が遅いため供給量は減少し、初年目の水稲においても、堆肥由来窒素の寄与率は約4%程度である(表1)。
  3. 施用後3年間にわたって、稲作期間に比べ麦作期間の分解は少なく、分解による窒素供給量は稲作期間の1/2程度で、寄与率も1%に満たない(表2)。
  4. 3年間の堆肥の分解経過から、堆肥を連年施用した場合、連用3年目の稲作期間には、移植から幼穂形成期、幼穂形成期から成熟期までにそれぞれ1kgN/10a程度、計2kgN/10aの窒素の供給が見込まれる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 土づくりとしてオガクズ牛糞堆肥を用いた場合の施肥管理の参考となる。
  2. 初年目に15N標識堆肥を、2・3年目は通常堆肥を使用した連用条件下の成績である。
  3. 稲麦二毛作における施肥条件下での成績である。
  4. 西南暖地における細粒灰色低地土に適用する。
図表1 221608-1.jpg
図表2 221608-2.jpg
図表3 221608-3.jpg
図表4 221608-4.jpg
カテゴリ 土づくり 肥料 水田 水稲 施肥 土壌環境 土壌管理技術 二毛作

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