タイトル |
サトウキビ精脱ラインに有効な水流式梢頭部・土砂除去装置 |
担当機関 |
鹿児島県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
ケーンハーベスタ収穫原料に含まれる枯葉や梢頭部、土砂などのトラッシュ類を除去するためには、風選装置及びトロンメル等で一次選別処理したのち、水流選別処理を行うと効果的である。鹿児島県農業試験場・徳之島支場・作物研究室
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背景・ねらい |
ケーンハーベスタ収穫原料に含まれるトラッシュは、製糖作業工程にさまざまな悪影響を及ぼすため事前に除去する必要がある。これらのトラッシュを除去するために、風選を主体とする選別装置が既に実用化されているが、梢頭部等の重量物の除去が容易でない。そこで、梢頭部や土砂等を除去するために水流を利用した選別装置の開発実用化を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 本水流選別装置は、原料処理を行う作業水槽(全長10m、幅1m、深さ1.4m)と水の循環を行う回流水槽(作業水槽と同規模)、水面下15cm程度の攪拌と造流を行う回転羽根、沈降物を取り出すネットコンベア、浮上物を取り出す表層掻き上げコンベアなどから構成される(図1)。また収穫原料の1次選別装置として、原料定量フィーダ、搬送コンベア、トロンメル、風選ファンなどの付帯設備がある。
- 収穫原料はあらかじめ上記付帯設備によって1次処理(風選等)を行い、水槽に連続投入する。投入後は攪拌しながら水流の中で、沈降するものと浮上するものに分離し、沈降物はネットコンベア、浮上物は掻き上げコンベアで回収する。投入した原料に混入している砂礫は、ネットコンベア網目を通過し、水槽底面に沈殿する(図1)。
- 1次処理後の材料を投入した時の分離程度は、投入した材料に対して14~19%が浮上し、81~86%が沈降する。浮上物は、梢頭部が大半であるが4~7%の蔗茎が混入する。一方沈降物は、その大半がクリーン原料で、トラッシュ率は2%以下である(表1)。
- 本装置の処理能力は、1時間当たり5000~13000kgで、付帯設備を除く所要電力は1.5~2.3kWである(表2)。
- 使用水を交換しない場合の懸濁物質量(SS)は、原料処理量に比例して増加する。また、投入した原料に対して1.2%の汚泥が水中に排出される(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- ケーンハーベスタ等で裁断収穫され事前に風選処理を行った原料を対象とする。
- 導入に際しては汚水浄化施設が必要である。
- NiF4などの比重が小さい品種では浮上蔗茎が多くなる。
- 本装置による梢頭部及び土砂類の除去効果は高いが、浮上物に混入する原料蔗茎の回収法については今後の検討課題である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
くり
さとうきび
品種
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