タイトル |
肥育牛飼料への麦焼酎粕(液)添加による飼料費低減効果 |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
乳用種去勢牛に対して、肥育用混合飼料中に麦焼酎粕(DM:9.6%)を現物当たり30%添加して給与することにより、発育および枝肉成績が低下することなく、飼料費が約11%低減可能である。
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キーワード |
乳用種去勢牛、肥育、麦焼酎粕、飼料費
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背景・ねらい |
乳用種去勢牛肥育における生産費において飼料費は50%以上を占めており、生産コストを低減するためには飼料費の節減が重要である。福岡県内では焼酎粕が年間約36,000t産出しており、そのうち約85%を占める麦焼酎粕を肥育牛飼料として活用することにより、飼料費の低減が可能と考えられる。そこで、乳用種去勢牛の良質肉生産に適した焼酎粕の給与技術を確立するため、肥育用混合飼料への麦焼酎粕の給与割合が飼料摂取量、産肉性および収益性に及ぼす影響を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 乳用種去勢牛に対して、全肥育期間を通じて麦焼酎粕(液)を給与混合飼料(TMR)現物中30%添加して給与した場合、乾物摂取量がやや減少する傾向があるものの、増体成績に大きな差は認められない(表1)。
- 焼酎粕を給与した肥育牛の枝肉成績は、無添加の場合と比較して大きな差は認められず、枝肉販売額は同等である(表2、表3)。
- 全肥育期間を通じて焼酎粕を30%添加することで、肥育牛1頭あたり約1.7tの焼酎粕が給与可能である。また、摂取飼料費が約11%低減することにより、肥育差益が1頭当たり18,000円程度増加する(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 乳用種去勢牛に対して麦焼酎粕(液)を給与する場合の参考資料として活用できる。
- 今回使用した焼酎粕は減圧蒸留麦焼酎粕を熱処理したもの(DM:9.6%、TDN:66.2%、CP:40.4%)であり、1週間程度の保存が可能である。
- 焼酎粕(液)はpHが3.93と低いために混合飼料に添加すると調製後の発熱が抑制されるが、飼槽中では牛の唾液により中和されるため混合飼料の保存可能期間は約1日である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
コスト
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