タイトル |
エクストルーダ型成型機による成分調整牛ふん堆肥の成型能力と成型コスト |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
1998~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
エクストルーダ型成型機はモミガラ牛ふん堆肥に尿素、油粕、鶏ふん堆肥を混合した堆肥を成型でき、圧縮効果によって容積が15%以上減少する。500t/年生産規模での成型コストは8円/kgである。
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キーワード |
エクストルーダ、牛ふん堆肥、窒素
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背景・ねらい |
堆肥の流通を促進するために成型化や肥料成分調整技術の活用が考えられる。これまでの試験でエクストルーダ型成型機(F社製22kW)により、水分を30~50%に調整したモミガラ牛ふん堆肥を成型できることを明らかにした(平成12年度農業関係試験研究の成果)。さらに、尿素、油粕、鶏ふん堆肥を成分調整資材として混合した場合の成型堆肥の性状および成型能力と成型にかかるコストを明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- モミガラ牛ふん堆肥の窒素含量を調整するために成分調整資材を混合する場合、これらの混合率を変えることにより窒素含量1~3%の成型堆肥が製造できる(表1)。
- 成型時の圧縮により、モミガラ牛ふん堆肥と成分調整資材を混合した牛ふん堆肥の容積は15%以上減少することから、製品貯蔵庫の効率的な利用と運搬費及び散布コストの低減化が期待できる(表1)。
- エクストルーダ型成型機の成型量の調整は、押し出し部へ原料を供給するモーターの回転数を周波数制御することにより可能で、周波数が10~30Hzの範囲であれば、1時間当たり200~670kgが成型できる。モミガラ牛ふん堆肥のみを成型する場合に比べ、油粕や鶏ふん堆肥を混合して成型した場合の時間当たり成型能力がやや高い。しかし、周波数が35Hz以上ではいずれの堆肥も原料の過剰供給による目詰まりが発生し、成型できない(表2)。
- 成型費用は、減価償却費の占める割合が高く、年間生産規模が250tの場合1kg当たり12円、500tの場合8円になる。原料費を含めた成分調整成型堆肥の製造コストは年間500tの場合、17~20円/kg程度となる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 有機農業を営む大規模農家または生産組合においてエクストルーダ型成型機を用いて成分調整成型堆肥を生産する場合の指標として活用できる。
- 現行の肥料取締法では特殊肥料と普通肥料の混合物を販売することができないが、持続的農業の進展を促進するためには成分調整の目的で普通肥料と特殊肥料との混合を可能にする法改正が望まれる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
有機農業
有機栽培
肥料
コスト
鶏
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