天草大王の復元とその利用

タイトル 天草大王の復元とその利用
担当機関 熊本農研セ
研究期間 1994~2000
研究担当者
発行年度 2001
要約 絶滅した大型肉用種「天草大王」を、ランシャン、シャモ、熊本コーチンを基に閉鎖群育種による選抜淘汰を7世代繰り返し復元した。これを父鶏として利用することによって発育性の優れた高品質肉用鶏を作出することができる。
キーワード 養鶏、肉用鶏、品種、天草大王、高品質鶏肉
背景・ねらい 熊本県には肥後五鶏と称されている熊本県産の5つの地鶏「肥後ちゃぼ」「久連子鶏」「地すり」「熊本種」「天草大王」がいたが、昭和40年代にそれぞれが絶滅または絶滅寸前の状態になった。そこで、昭和51年から熊本県産地鶏の保存改良を実施し、「肥後ちゃぼ」「久連子鶏」「地すり」「熊本種」は復元または改良増殖に成功したが、日本最大級の肉用種であり、昭和初期に絶滅した「天草大王」は、その基礎鶏であるランシャンが日本では飼養されなくなっていたことから復元が遅れていた。しかし、平成4年にアメリカからランシャンを輸入することができたので、文献等からランシャンの他に「天草大王」の成立に関わったと考えられるシャモと熊本コーチンを交配したものを基に「天草大王」を復元し、肥後五鶏を完成させる。また、復元した「天草大王」は、高品質肉用鶏生産用の雄系統として活用し、生産性の高い高品質鶏肉の開発を行う。
成果の内容・特徴
  1. 文献等を基に、ランシャン50%、シャモ25%、熊本コーチン25%の血液割合で交配した基礎鶏を閉鎖群により1年1世代の割合で選抜淘汰を繰り返した結果、平成12年の第7世代で羽色、体重、体型から見て昔の「天草大王」とほぼ同じになった。(図1、表1)
  2. 成鶏の平均体重は、雄が5,720g、雌が4,435g、最大個体の体重は雄が6,700g、雌が5,660gに達し、文献の大型雄の体重1,700~1,800匁(6,370g~6,750g)に匹敵する大きさになった。(表1)
  3. 復元した天草大王を雄系統とし、熊本ロードと兵庫牧場の白色プリマスロック種の交配から系統造成した有色大型雌系統の雌とを交配した肉用鶏は、雄雌平均体重が12週齢で2,738gと、地鶏の特定JAS規格の最低飼養期間80日齢で出荷でき、飼料要求率も2.65と優れる。(表2)
成果の活用面・留意点
  1. 生産性の良い熊本特産の高品質鶏肉としての販売が期待される。
  2. 当面畜産研究所から天草大王♂×有色大型雌系統♀を交配して得られる肉用鶏の種卵を、熊本県肉鶏普及推進協議会で指定した団体等に供給する。
  3. 普及体制が整ったところで、種雛を種鶏孵化場に供給する。
図表1 221698-1.jpg
図表2 221698-2.jpg
図表3 221698-3.jpg
カテゴリ 育種 出荷調整 品種

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