タイトル |
パン屑とトウフ粕を主原料とした低コストで付加価値の高い肉豚用飼料 |
担当機関 |
熊本県農業研究センター |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
パン屑とトウフ粕を主原料とし、不足するアミノ酸を添加したリサイクル飼料は、肉豚生産費を8%低減させ、肉豚の枝肉中脂肪酸組成におけるω-6/ω-3比を20.0から11.2(背脂肪内層)に改善する。
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キーワード |
パン屑、トウフ粕、脂肪酸組成、リサイクル、肉豚
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背景・ねらい |
外食産業の進展により、食品工場残渣等が大量に発生しており、その有効利用による循環型農業の確立が急務である。食品工場残渣物等を用いたリサイクル飼料は、生産コストを低減させるうえで重要な技術であるが、肉豚の肉質を悪化させるなどの報告が多い。そこで、パン屑とトウフ粕を主原料とし、不足するアミノ酸を添加したリサイクル飼料が肉豚の発育、飼料の利用性および枝肉中の脂肪酸組成に与える影響を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- パン屑とトウフ粕を主原料に不足するアミノ酸を添加したリサイクル飼料(表1脚注)を給与された肉豚の増体は、トウモロコシと大豆粕を主体とする慣用飼料を給与された肉豚のそれと同等で、飼料摂取量は減少する傾向がある(図1)。
- トウフ粕を肥育期間の前後期でそれぞれ29.66%、15.00%およびパン屑を60%添加したリサイクル飼料の製造単価は、肥育前期28.6円、同後期23.8円で、飼料単価を30%、肉豚生産費を8%低減できる(表1)。
- パン屑のトウモロコシに対する代替率を徐々に増加させることによって、枝肉中の脂肪酸組成が変化し、ω-6/ω-3比(ヒトの心筋梗塞やアレルギー疾患等との関連性が高い)が20.0から11.2(背脂肪内層)に改善する(図2)。
- パン屑とトウフ粕を主原料とした場合、パン粉割合20から40%で、低タンパク質飼料の調整が可能となる(表1)。
- パン屑とトウフ粕を主原料とするリサイクル飼料にフィターゼを500IU添加することによって、リン酸資材使用量の50%削減が可能となる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 乾燥したパン屑(食パンの耳)とトウフ粕を原料としたリサイクル飼料は、飼料が飛散しやすく、給与ロスが多くなることから、ウェットフィーダーの利用が望ましい。
- 食品廃棄物等のリサイクル飼料原料は、同様の食品廃棄物であっても、それが発生する食品製造事業所や時期等により、アミノ酸含量が20%程度異なる場合があることから、飼料設計時には、アミノ酸要求量に対し十分な安全率を見込む必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
乾燥
コスト
飼料設計
大豆粕
低コスト
とうもろこし
豚
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