タイトル |
豚尿処理水を用いた養液栽培技術 |
担当機関 |
佐賀県畜産試験場 |
研究期間 |
1996~2000 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2001 |
要約 |
豚尿処理水による水耕栽培において、葉菜類は良好な生育を示すことが確認され、さらに、処理水に数種類のミネラル成分を補うことにより、慣行で使用される水耕培養液と同様の収量が得られる。
|
背景・ねらい |
家畜尿汚水処理施設は、活性汚泥法等の開発により主に養豚農家等に導入されているが、処理施設のコストが高く、又、汚水処理水は、堆肥のようには資源としての利用ができにくいという問題点がある。しかし、豚尿処理水には植物の生育に必須とされている硝酸性窒素などの無機成分が多く含まれているため、液体肥料としての利用法も考えられる。そこで、効率的な無機成分の利用を目的として、佐賀畜試豚尿処理施設(1m3/日処理規模)から排出される豚尿処理水を供試する葉菜類、および果菜類の養液栽培技術の開発を行う。
|
成果の内容・特徴 |
- 15l容(縦:21cm×横:65cm×高さ:18cm)のプランタに豚尿処理水を入れ、この中に栽培ベッドとして6.5cm間隔で孔を空けた発泡スチロール板を浮かべたバッチ式栽培試験(以下試験I)と、7.6m3の栽培槽(ブロック製)に、処理水を約2.6m3投入し、試験期間中を通して定期的(7日間隔)に全量入れ替えを行う連続的入れ替え栽培試験(以下試験II)を行った(図1)。栽培試験区は次の3区を設けた。:
- 市販の水耕培養液を使用(対照区)、
- 汚水処理水をそのまま使用(処理水区)
- 汚水処理水に無機成分(K2O、Fe等)を追加した溶液を使用(追加区)(図1、表1)。
- 試験Iでは、チンゲンサイにおいては、生育に係る全ての測定項目において、対照区が培養液区と比較して窒素分が処理水中に含まれるFeの濃度が低いことにより、有意な区間差が確認され(p0.05)黄化するが、チリメンチシャ、チシャにおいて、有意差は確認されず生長する(表2)。
- 試験IIについては、試験Iと同様に試験期間中、窒素、カリウムの水質変動は見られるものの、試験Iでは黄化したチンゲンサイにおいても十分な生育が確認され、試験期間中生育、生理障害を及ぼすことなく生長する(表3)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 処理水の液肥としての利用が可能となることより、放流できない地域において適応できる。
- 農家において処理状況にばらつきがあるため、処理水濃度に応じた規模算出および年間を通した処理利用体系の確立が必要となる。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
肥料
コスト
水耕栽培
生理障害
チンゲンサイ
豚
養液栽培
|