タイトル |
日本ナシにおける強風による落果軽減のための棚の鋼管パイプ補強および収納式支柱設置 |
担当機関 |
佐賀果樹試 |
研究期間 |
1997~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
日本ナシの台風被害の軽減対策として鋼管パイプを棚に設置し、併せて台風来襲時のみに折りたたみ式の支柱を用いることにより、棚の振動は従来の鋼線棚と比較して鋼管補強のみで約50%、さらに収納式支柱併用により約25%に軽減できる。
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キーワード |
日本ナシ、台風被害、棚振動、支柱
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背景・ねらい |
ナシ園の台風被害は収穫直前に受けることが多く、経営上の大きな問題である。そこで、鋼管パイプによる棚の補強ならびに台風来襲時のみの設置を可能とする棚面に収納できるような折りたたみ式の支柱を取り付け、来襲時の棚振動による新高の落果を軽減する。
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成果の内容・特徴 |
- 強風による棚振動を軽減するための棚の構造は、棚面に32mmの鋼管パイプを3m×3mで補強する。収納式支柱は既存の支柱間隔(5.6m×5.6m)の中心に取り付ける。支柱を固定するために約50kgのコンクリートブロック(一斗缶を利用)を土中に埋め込む(図6)。
- 上記の方式により平成11年9月24日の台風18号(瞬間最大風速30m)来襲時の棚面の上下振動を大きく軽減した。
- 棚の最大の振幅は、鋼管パイプ棚では園の中心付近で35.8cm、園の外周部では41cmである(図1、図2)。
- 収納式支柱を併設した収納式支柱棚の最大振幅は、園の中心付近で23cm、園の外周部では28.3cmである(図3,図4)。
- 全体の平均の振動幅は、従来の鋼線棚区と比較して鋼管パイプ棚区では約50%、収納式支柱棚区では約25%である。
- 10a当たりの費用はパイプ補強資材費約28万円、収納式支柱及び固定用コンクリートブロック費約20万円である。
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成果の活用面・留意点 |
- より強風の条件下での落下防止に対する効果については、さらに検討する必要がある。
- 台風被害を受けやすい園や台風の強度によっては、平成11年度に大分県より発表された成果情報「晩生ナシの台風防止対策」の果実の枝がけ法を利用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
経営管理
日本なし
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