タイトル |
家畜ふんペレット堆肥を用いたポンカンの施肥法 |
担当機関 |
鹿児島果樹試 |
研究期間 |
1995~2004 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
ポンカンの春肥は家畜ふんペレット堆肥、夏肥及び秋肥は被覆尿素を用い、秋肥の施肥時期を慣行より2旬早め、時期別窒素施肥割合を4:2:4とする。この施肥体系で、収量及び果実品質等は、慣行の有機配合複合肥料を用いた年3回施肥と同等である。
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キーワード |
ポンカン、家畜ふんペレット堆肥、被覆尿素、施肥法
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背景・ねらい |
鹿児島県では、豊富な有機物資源を生かした環境保全型農業を定着させることが急務である。家畜ふん堆肥は、これまで主として土壌の物理性改善に利用されてきたが、含水率や成分含有率等の品質が不安定なため肥料としての利用法は確立されておらず、さらに取り扱い性が悪いなど大量に活用されるまでに至っていない。本県では家畜ふん堆肥の有効活用を図るため、ペレット化し、有機質肥料としての施肥法を開発中であり、果樹においてもその活用法を検討している。
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成果の内容・特徴 |
- 屋根掛け栽培「吉田ポンカン」における家畜ふんペレット堆肥を用いた施肥体系は、3月上旬の春肥に家畜ふんペレット堆肥を、6月上旬の夏肥に被覆尿素70日タイプを、秋肥は被覆尿素40日タイプを用いる。秋肥の施肥時期は、慣行より2旬早めて10月中旬とし、時期別窒素施肥割合は、春肥40%、夏肥20%及び秋肥40%とする(表1)。
- 樹の生育、収量、果実品質及び葉中窒素含量は、有機配合複合肥料を用いた慣行の年3回施肥と同等である(表3)。
- 表層土壌(0~10cm)中の有効態リン酸及び交換性カリウム含量は、慣行と同程度で推移する(表4)。
- 年間の所要窒素量を家畜ふんペレット堆肥のみで施用すると、連用3年目で土壌中の有効態リン酸及び交換性カリウムの蓄積量が増大する可能性が高く(表4)、果実品質の低下も認められる(データ略)。
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成果の活用面・留意点 |
- 家畜ふんペレット堆肥の成分含有率は、畜種、含水率等により異なるので、予め調査する必要がある。
- 被覆尿素の溶出タイプは地温等を考慮してその地域に適したものを用いる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
施肥
ぽんかん
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