タイトル |
ニガウリの半促成作型用高品質・多収性新品種「か交5号」 |
担当機関 |
鹿児島農試 |
研究期間 |
1995~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
ニガウリ新品種「か交5号」は果形や果皮色等の果実品質が優れ、初期収量や総収量等が多く、多収性である。本品種は多層被覆下のハウス無加温半促成作型に適する。
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キーワード |
ニガウリ、育種、品種、か交5号
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背景・ねらい |
ニガウリは近年の健康食品志向から需要が伸び、鹿児島県の栽培面積も急増している。また、作期も拡大し、収益性の高い品目である。しかしながら、本県に導入されている品種は産地により多種多様であり、県全体としての品種の統一が望まれている。そこで、本県の半促成作型に適した高品質で多収性の品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 育成経過
1995年に鹿児島県内外からニガウリの果実や種子を導入し、固定を図りながら選抜を進めた。1998年に果実品質の優れる固定系統の「か系2号」を育成したが、さらに改良を進めるために早生で節成性の強い「吉田系」を導入した。そこで、「か系2号」後代と「吉田系」後代の交雑採種を行い、1999~2000年に組合せ検定と生産力検定予備試験を行った結果、F1組合せ(408/409)が優れていた。さらに、2001年に生産力検定及び現地適応性検定を行い、果形や果皮色等の品質及び収量性が優れる系統を選定し、「か交5号」と命名した(図1)。
- 草勢はやや強く、開花も早い。子づるの雌花着生率は約30%で、雄花の着生は初期から多い(表1)。
- 果実はやや肩張りの紡錘形で、中長で、果皮色は鮮やかな濃緑色を呈し、色ムラが少なく品質は優れる(表2、写真1)。
- 初期収量、2L~M級収量及び総収量が多く、4~6月のA品収量は10アール当たり7~8トンである(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 多層被覆を行ったハウス無加温半促成作型に導入できる。
- 子づる・孫づる主体の仕立てを行い、つる間隔は25~30cm程度とし、混み合わないように整枝を行う。さらに、適宜摘葉して、果実に光を当てて色ムラが出ないようにする。
- 栽培初期は外気温が低い時期なので、下節位に遊びづるを残すとともに保温に努めて雄花の発生を促す。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育種
新品種
多収性
にがうり
品種
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