タイトル |
日平均気温を利用したクワシロカイガラムシの防除適期予測 |
担当機関 |
鹿児島県茶試 |
研究期間 |
1995~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
前世代の防除適期、百葉箱における日平均気温、発育零点、有効積算温度により、次世代の防除適期を予測できる。
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キーワード |
クワシロカイガラムシ、日平均気温、発育零点、有効積算温度、防除適期
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背景・ねらい |
クワシロカイガラムシは樹冠内に生息することから、防除適期の把握が難しい。そこで、雌虫の卵~産卵開始までの温度と発育との関係を明らかにし、気温を利用した防除適期予測法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- クワシロカイガラムシ雌虫の卵~産卵前期間の発育零点は摂氏7.1度、有効積算温度は1,000日度である(表1)。
- 前世代の防除適期の翌日を起算日とし、百葉箱における日平均気温を利用した有効積算温度法により求めた第二・三世代の防除適期予測日(以下、予測日)は、実測日とほぼ一致する(表2)。
- 同様に、茶園内のクワシロカイガラムシ寄生部位付近に設置した気温観測装置(データロガー)による日平均気温を利用した有効積算温度法により求めた第二世代の予測日は、実測日とほぼ一致する。しかし、第三世代の予測日は、実測日よりも3日遅い(表3)。
- 以上のことから、百葉箱における日平均気温を利用した有効積算温度法により、次世代の防除適期を予測できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 次世代防除適期予測のためには、前世代防除適期を把握しておく必要がある。
- 防除適期の指標は、50%ふ化雌率70%到達日とする。(50%ふ化雌率70%到達日=半数以上がふ化した卵塊を抱く雌成虫の割合が70%に達した日)
- 次世代の防除適期を求める計算方法(有効積算温度法)は次のとおりである。
(1)前世代の防除適期の翌日を起算日とする。 (2)百葉箱の日平均気温から発育零点(摂氏7.1度)を差し引く。 &st;計算例> 平均気温が摂氏23.2度であった場合→23.27.1=16.1・・・・・以降の日も同様に計算 (3)積算値が1000を越える日が次世代の防除適期
- 防除適期の幅は、予測日~5日後までである。
- 前世代に対し防除を行った場合は、予測日と実測日とが大きく異なることもある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
茶
防除
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