ナシ白紋羽病発生園の未発病樹および発病跡地の改植樹に対するフルアジナムフロアブルの予防的な灌注処理による発病抑制効果

タイトル ナシ白紋羽病発生園の未発病樹および発病跡地の改植樹に対するフルアジナムフロアブルの予防的な灌注処理による発病抑制効果
担当機関 佐賀果樹試
研究期間 1995~2000
研究担当者
発行年度 2001
要約 ナシ白紋羽病発生園の未発病樹や発病跡地の改植樹に対して、フルアジナムフロアブル500倍液を灌注処理することで本病の発生を予防できる。
キーワード ナシ、白紋羽病、フルアジナム、灌注処理、予防
背景・ねらい ナシ白紋羽病発生園の未発病樹や発病跡地の改植樹に対するフルアジナムフロアブル灌注処理の予防効果について明らかにし、安定生産を図る。
成果の内容・特徴
  1. 発生園の未発病樹に対して既存のチオファネートメチル水和剤500倍液を灌注器を用いて灌注処理しても発病を防止できないが、フルアジナムフロアブル500倍液を用いると長期にわたり発病を防止できる。よって、本剤の予防的な灌注処理は被害を未然に防止するうえで有効である(表1)。
  2. 発病跡地の改植樹に対してフルアジナムフロアブル500倍液を灌注処理することで発病を未然に防止できる(表2)。本処理方法はクロールピクリン剤のようなガス抜等の危険な作業を伴わず安全である。
成果の活用面・留意点
  1. 処理量の目安は成木で約100リットル、2~4年生の幼木で約50リットルであり、樹の周囲半径約1mの範囲内にむらなく処理する。ただし、過乾燥の土壌や土層の深い園地では1.5~2倍の薬液が必要である。
  2. 園全部の樹に対しての予防処理は労力および経済性の点で不可能であるので、発病樹周囲の樹や常発生園を対象とする。ナシ枝を樹の周囲に数カ所挿しておくと菌の付着の有無で土壌中における菌の存在を簡易に判別できる。
  3. 本剤による感染後の治療効果は期待できないので、改植樹に対しては植栽直後に処理する。
  4. 土壌中において約2年間の残効が期待できるので、処理後約2年を再処理時期の目安とする。ナシ枝を樹の周囲に数カ所挿しておくと菌の付着の有無で薬効が保持されているかどうかを簡易に判別できる。
  5. 樹勢強化のために堆肥を施用する場合は、樹の周囲半径0.5~1m付近にスポット状に堆積する。土壌中に混入すると防除効果が低下する。
図表1 221847-1.jpg
図表2 221847-2.jpg
カテゴリ 病害虫 改植 乾燥 くり 防除

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる