タイトル |
カンキツを加害するウスカワマイマイに対する無機銅剤の摂食抑制効果 |
担当機関 |
佐賀果樹試 |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
無機銅剤である塩基性硫酸銅水和剤と塩基性塩化銅水和剤は温州ミカンを加害するウスカワマイマイに対して摂食抑制効果を示し、さらにその効果は散布後の累積降雨量が塩基性塩化銅では約400mm、塩基性硫酸銅では約800mmに達した時点でも持続する。
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キーワード |
無機銅剤、温州ミカン、ウスカワマイマイ、摂食抑制効果
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背景・ねらい |
カンキツ樹上に定着したウスカワマイマイに対する効果的な防除技術を確立するためには殺貝または摂食抑制効果を有する薬剤を選抜する必要がある。そこで、陸産性貝類が忌避する銅を有効成分とする各種銅殺菌剤について、ウスカワマイマイに対する摂食抑制効果および降雨が効果の減衰に及ぼす影響を室内試験において明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- ウスカワマイマイは無機銅剤である塩基性硫酸銅水和剤A(ICボルドー412)または塩基性塩化銅水和剤を散布された果実上では摂食行動が抑制される。なお、塩基性硫酸銅水和剤B(Zボルドー)、水酸化第二銅水和剤も摂食抑制効果を示すが、その程度はやや低く、また有機銅水和剤の効果はさらに低い(表1、表2)。
- 各種殺菌剤による殺貝効果は試験によってふれがみられる(データ略)。
- ウスカワマイマイの果実被害は降雨の多い時期に問題となるが、人工降雨条件下における塩基性硫酸銅水和剤Aの摂食抑制効果は累積降雨量が800mmに達した時点でも持続する(図1)。また、塩基性塩化銅水和剤では400mmに達する時点まで認められる。一方、塩基性硫酸銅水和剤Bの効果は降雨処理開始後から徐々に低下し、降雨500mm前後で摂食抑制価が半減すると推察される。
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成果の活用面・留意点 |
- 無機銅剤の現時点における登録対象は黒点病、かいよう病およびそうか病であり、ウスカワマイマイに登録はない。
- 銅による薬害(スタメラノーズ)の発生が懸念されるので、防除時期である初秋季の散布における薬害発生の有無および程度について確認する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
温州みかん
防除
薬剤
その他のかんきつ
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