タイトル |
耐強風性で高換気機能を有するハウス |
担当機関 |
熊本農究セ |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
基礎にスパイラル杭、骨材に高張力鋼角パイプを使用して、人力で組み立てられ、耐強風性で高換気機能を有したハウスを開発した。
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キーワード |
ハウス、スパイラル杭、高張力鋼、強風、換気、人力
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背景・ねらい |
熊本県では施設園芸が盛んで農業粗生産額の約1/3を占めているが、平成に入って台風により多大な被害を被っている。また、近年韓国や中国等の近隣諸国からの野菜の輸入が増加しており、野菜の価格は低迷している。そこで、低コストでハウス建設ができるように人力で組み立てられ、しかも台風等の気象災害に強い農業用ハウスの開発を行う。また、熊本県の平野部は夏場の高温のためにハウスの周年的な利用が妨げられているので、ハウスの利用率の向上と夏場の作物の品質向上を図るため、低コストの高換気機能技術の検討を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 開発したハウスは間口6m、軒高2.5m、棟高3.5mの低勾配屋根(20度)の2連棟ハウスでハウスの骨材には高張力鋼角パイプ(75×45×t1.8)を用いており、骨材のスパンは3mである。また、ハウスの基礎材として鋼製のスパイラル杭を、被覆材はPOフィルム(0.15mm)を利用し、人力でハウスを組み立てることができる(図1)。
- ハウスの骨材として高張力鋼角パイプを利用し、引き抜き強度の高いスパイラル杭(幅75mm、厚さ9mm、長さ750mm)を基礎に利用することにより、最大瞬間風速45m/s程度の耐強風性を有している(表1)。
- ハウスの軒高を2.5mと高くして、サイド面及び妻面を軒高一杯まで巻き上げ、谷換気も1m以上に広くとって換気面積を大きくすることで、夏場の最高温時にも外気温と比較してハウス内の温度を摂氏2度程度の温度上昇に抑えることができる。(表2)
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成果の活用面・留意点 |
- スパイラル杭の利用については、引き抜き強度が高いがやや水平耐力が劣るため、施工後に埋め込み締固めする必要がある。また、河川敷や中山間地などの石の多い土壌に対してはスパイラル杭による施工でも穴を掘る必要がある場合がある。
- 台風等の強風時には、サイドや妻面の換気部分はスプリングで2段に固定し、谷部の換気部分もスプリングで固定する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
施設園芸
中山間地域
低コスト
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