タイトル |
わい化栽培もも台木ゆすらうめの大量増殖法 |
担当機関 |
大分農技セ |
研究期間 |
1996~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
わい化栽培もも台木のゆすらうめは、ひこばえからの節培養によって得られたシュートを二相培養することにより大量増殖ができる。また発根・馴化過程で培地支持体にフロリアライトを用いると発根・馴化率が高まる。
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キーワード |
わい化栽培もも、ゆすらうめ、大量増殖法、培地支持体、フロリアライト
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背景・ねらい |
わい化栽培ももは、共台のももに比べ品質がよく、作業性も優れているため産地化が進んでいる。しかし、共台栽培にくらべ樹勢低下が早く、樹の寿命が短い。このため、産地では衰弱及び枯死樹の積極的な改植・補植によって園全体としての生産力を維持する方法をとっているが、優良苗木の供給に苦慮している。そこで、優良台木のひこばえからの大量増殖法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 基本培地として硝酸アンモニウム、硝酸カルシウムをそれぞれ2倍の濃度とした改変WP培地(pH5.7)を用いる。
- 増殖にはホルモン濃度をBA5μMとした節培養で得られた充実したシュートを用い、BA3.5μMの寒天培地で増殖させた後、3~5本の固まりをBA1μMとした二相培地に継代すると増殖率が高く、長いシュートも得られる(表1)。
- 発根には予め250μMのIBAを含む培地で4または8時間の前処理を行ない、ホルモンフリーの培地に移植すると発根率・生存率が高い(表2)が、4時間処理に比べ8時間処理ではカルスの発生が多くなる。
- 発根・馴化には、ふたに5mm径程度の穴を開け18mm径のミリシール(日本ミリポア製)を貼り付けた培養容器で、培地支持体としてバーミキュライトとセルロース繊維を主成分とするフロリアライト(日清紡製)を用いると、良好な結果が得られる(表3)。
- この方法を用いることにより、発根処理中や馴化後の生育は旺盛となり、短期間で馴化苗の育成が可能である(図2)。また、馴化も培養容器のふたをずらす程度で鉢上げが可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- 材料となるひこばえは予め簡易な雨よけを行い、薬剤散布を行なったうえで、ベノミル水和剤2,000倍液で20分間の前処理を行ない、滅菌処理を行う。
- わい化栽培ももでは補植・改植が前提となるので、培養苗を元に産地で台木の育成・供給を図る体制づくりが必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
うめ
改植
台木
もも
薬剤
わい化
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