着果特性の優れた観賞用紅花イチゴ「久留米IH4号」

タイトル 着果特性の優れた観賞用紅花イチゴ「久留米IH4号」
担当機関 (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 1994~2000
研究担当者 曽根一純
野口裕司(北海道農研セ)
沖村誠
望月龍也
北谷恵美
発行年度 2001
要約 紅色花弁を有する「久留米IH4号」は、冬季における草勢が強く、着果安定性が優れることからクリスマス期における鉢植え等の観賞用として利用できる。8倍体栽培種との交雑後代における紅花を有する正常着果個体の出現割合は極めて高く、交配親としても利用できる。
キーワード イチゴ、紅花、着果安定性、観賞用、交配親
背景・ねらい 近年、イチゴに近縁のキジムシロ(Potentilla)属より栽培イチゴへの紅色の花色の導入を目的とした交配が行われ、‘フレール’、‘セレナータ’等の濃桃色~紅色を有する属間雑種が多数育成されている。しかしながら、これら品種は株の草勢及び果実が貧弱で、冬季の着果が不安定なため、鉢植え等の観賞価値がやや劣っている。そこで、冬季における草勢が強く、紅色の花弁を有し着果特性が特に優れる品種を育成する。
成果の内容・特徴 1.
「久留米IH4号」は、1998年に大果で草勢が強い「イチゴ中間母本農1号」と濃紅色花弁を有する「レッドルビー」(属間雑種「フレール」と栽培イチゴとの自然交雑実生)を交配して、得られた実生を促成栽培下で検定して選抜された紅花花弁で着果の優れた系統である。本系統は、クリスマス期における鉢植え、グランドカバー植物等の観賞価値が高い(表1および図1)。
2.
花弁色は鮮紫ピンクで、冬季における草勢低下が小さく、着果安定性が優れる。
3.
促成栽培では草勢は強く、休眠はやや浅く、草姿は中間である。花房は中間型で太くて長く、花数は多い。開花日は「とよのか」と同程度である。果実は円錐で乱れが少なく、「とよのか」より小さく、果皮色は淡赤である。これまでの紅花イチゴと比較して糖度が高く、食味は優れる。
4.
紅色花弁は単因子優性に遺伝する。フローサイトメトリーによる染色体数の推定値は8倍体に近く、8倍体栽培種の「さちのか」との交雑後代における紅花を有する正常着果個体の出現割合は極めて高く、交配親としても利用できる(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
果実が柔らかく、流通適性が劣るため生食用の一般的実用品種としての普及性は低い。
図表1 221923-1.gif
図表2 221923-2.jpg
図表3 221923-3.gif
カテゴリ いちご くり 品種 良食味

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