タイトル | PCR-RFLP法を用いた2種ネコブセンチュウ混生個体群の構成比推定法 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
岩堀英晶 佐野善一 |
発行年度 | 2001 |
要約 | サツマイモネコブセンチュウとアレナリアネコブセンチュウの混生個体群の構成比は、PCR-RFLP法により生じた種特異的バンドの濃度を画像解析で比較することにより推定できる。 |
キーワード | ネコブセンチュウ、混生個体群、構成比推定、PCR-RFLP法、画像解析 |
背景・ねらい | 九州沖縄地域の平地畑作地域の最も重要なネコブセンチュウ種は、サツマイモネコブセンチュウとアレナリアネコブセンチュウである。これら2種の線虫は加害作物が異なる場合があるため、圃場に生息する種を同定することの必要性は高い。さらにネコブセンチュウ類の調査では、構成種や密度だけでなく、ある時点での種の構成比率が、作付体系でどのように推移するかを明らかにすることが重要である。しかし従来の解剖学的方法では、種の構成比の推定には多大な労力と時間が必要であった。このような調査を迅速に行うために、PCR-RFLP法を基にした、2種線虫混生個体群の構成比を推定する方法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 人為的に構成比率を変えて混合したサツマイモネコブセンチュウとアレナリアネコブセンチュウの2期幼虫20頭から抽出したDNAを用いてPCR-RFLP法を行い、得られた各種特有のバンドの濃度比を画像解析で算出し、その値と実際の構成比との間の回帰直線を求める(図2)。 2. 得られた回帰直線を基に、野外の圃場から分離した線虫個体群から無作為に取ったネコブセンチュウ2期幼虫20頭の抽出DNAを用いたPCR-RFLP-画像解析法により、種の構成比を推定することができる(図3、表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 圃場ごとのネコブセンチュウ類の個体群動態、分布変動要因解析が可能になり、作付体系等の立案・指導に役立てることができる。 2. PCR-RFLP法に用いるプライマーや制限酵素を変えることで、他のネコブセンチュウ種の組み合わせ、あるいはネコブセンチュウ以外の線虫種にも応用できる。 3. 一方の種の混合比率が10%以下の場合は、検出感度以下になるか、もしくは正確な混合比が推定できない場合がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
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