タイトル | 暖地水稲湛水直播栽培の雑草発生に及ぼす播種後落水期間の影響 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 1997~2003 |
研究担当者 |
児嶋清(中央農研) 住吉正 川名義明(中央農研) |
発行年度 | 2001 |
要約 | 暖地水稲湛水直播栽培において出芽・苗立ちの安定及びスクミリンゴガイによる食害回避のために実施される播種後の落水管理によって、雑草発生が促進され、落水期間の延長に伴って雑草の発生期間が長くなる。クサネム等田畑共通雑草4草種の発生は落水初期に集中する。 |
キーワード | クサネム、雑草発生、水稲湛水直播栽培、田畑共通雑草、落水管理 |
背景・ねらい | 暖地の水稲湛水直播栽培では、水稲の出芽・苗立ちの安定に加えて、スクミリンゴガイによる食害を回避するため、播種直後から落水管理や潤土管理が行われる。落水や潤土条件下では雑草が多発する事例が報告されており、そのことが暖地の水稲湛水直播栽培の雑草防除をより困難なものとしている。そこで、水稲湛水直播栽培における播種後の落水期間が雑草の発生に及ぼす影響を解析し、効果的な雑草防除法確立のための基礎資料とする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 水稲湛水直播栽培における一年生水田雑草の発生本数は、総じて常時湛水よりも播種直後からの落水管理で多く、アゼナ、キカシグサ及びコナギでは9日間程度の短期間の落水よりも18日間以上の長期間の落水でさらに多くなる傾向がある(図1、表1)。 2. 各一年生水田雑草は再湛水後にも発生することから、雑草の全発生期間は播種直後の落水期間の延長に伴って長くなる(図1、表1)。 3. クサネム等田畑共通雑草の4草種は、湛水条件では、発生しないか、水面に浮遊する種子からの発生に限られる。落水管理における4草種の発生は、代かき時に水面に浮遊した種子がその後の落水によって土壌表面に集まるために乾田直播栽培よりも多くなるとともに、落水後10日間程度の初期に集中する(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 暖地の水稲湛水直播栽培における雑草防除法確立のための基礎資料とする。 2. 圃場及びポット試験の落水期間及び乾田期間中は土壌が白乾しない程度に適宜潅水するとともに、圃場では降雨によって湛水しないように排水溝を設けた条件での試験結果である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 乾田直播 雑草 直播栽培 水田 水稲 スクミリンゴガイ 播種 水管理 |