短桿穂重型稲発酵粗飼料の飼料特性

タイトル 短桿穂重型稲発酵粗飼料の飼料特性
担当機関 (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 1999~2001
研究担当者 塩谷繁
神谷充
岩間裕子
田中正仁
発行年度 2001
要約 短桿穂重型の飼料イネ「西海203号」を黄熟期に刈り取り、ホールクロップサイレージに調製すると、可消化養分総量が53.2%で粗蛋白質含量が6.9%となる。これを乾物中に30%の割合で混合飼料に調製することにより、乳量30kg程度の泌乳牛用の飼料として給与できる。
キーワード 乳牛、飼料イネ、ホールクロップサイレージ、混合飼料
背景・ねらい 飼料自給率の向上と水田機能の維持を目的とした飼料用イネの栽培、利用を促進するため、地域の実状に適応した実践的技術体系の確立が急務となっている。九州地域では、台風による倒伏に強く、玄米収量の多い短桿穂重型の飼料用イネの利用が有効と考えられる。そこで、こうした形質を持った西海203号のホールクロップサイレージの飼料特性を明らかにし、泌乳牛への給与技術を確立する。
成果の内容・特徴 1.
西海203号を黄熟期に刈り取りホールクロップサイレージに調製すると、その飼料成分は、輸入チモシー乾草(1番草開花~結実期)と比べて粗灰分が多く、可溶無窒物が多い(表1)。また、粗繊維は少ないが、繊維中の高消化性繊維の割合が低い。
2.
その栄養価は、TDN含量が53%で、輸入チモシー乾草と同等である。
3.
イネサイレージとチモシー乾草を乾物中にそれぞれ30 %ずつの割合で混合した飼料(表2)を用いて泌乳牛4頭ずつの代謝試験を行ったところ、乳量や乳成分に違いは認められない。
4.
表2の飼料構成で調製した混合飼料を、日乳量30kg程度の泌乳牛に対し、約1ヶ月間給与したところ、採食量、乳量、乳成分に大きな変動は認められず(図1)、泌乳牛用飼料として活用できる。
成果の活用面・留意点 1.
西海203号のような短桿穂重型のイネを用いた泌乳牛用給与メニューの参考となる。
2.
西海203号について当面品種登録の予定はない。
図表1 221949-1.gif
図表2 221949-2.gif
カテゴリ 飼料用作物 水田 乳牛 品種

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